サントリービールが2021年4月13日に発売する「パーフェクトサントリービール」は、糖質ゼロながらアルコール度数5.5%の本格的なビールの味わいで、「健康とおいしさ」の両立を目指した。既存ブランドではなく社名を冠した新ブランドを立ち上げることからも同社の本気度がうかがえる。

4月13日に発売するサントリービール「パーフェクトサントリービール」(350ミリリットル、500ミリリットル)。希望小売価格は設定せず、スタンダードビールと同等の価格が見込まれる
4月13日に発売するサントリービール「パーフェクトサントリービール」(350ミリリットル、500ミリリットル)。希望小売価格は設定せず、スタンダードビールと同等の価格が見込まれる

ニューノーマルのスタンダードカテゴリーに

 「パーフェクトサントリービール」の開発がスタートしたのは2016年。発売まで5年もかかったのは、「本当においしい糖質ゼロビールができるまで妥協しない」(サントリービール)という強い思いがあったからだ。くしくも20年にはキリンビールが「キリン一番搾り 糖質ゼロ」(アルコール度数4%)を発売し、人気を博した。対するサントリービールも、独自技術でアルコール度数5.5%を維持したまま、糖質ゼロと本格的なビールのような飲みごたえを両立させたことに自信を持つ。

 サントリービールは「健康とおいしさは、ニューノーマル(新常態)でのビールの新しいスタンダードカテゴリーになる。ビールど真ん中のおいしさと糖質ゼロの両立で、サントリーを代表するスタンダードビールとして売り出したい」と、新ブランドにかける意気込みをあらわにする。

 ターゲットは健康が気になるビールのヘビーユーザー。量を飲むからこそ飲みすぎが気になるという健康意識がある一方で、ビール好きだからこそ味へのハードルも高い。同社の推定では、20年の缶ビール市場規模は約2億8100万ケース。その中で糖質オフやゼロといった機能系を1度でも飲んだことのある人、または飲用意向がある人の数を換算すると約1億8000万ケース分にも上るものの、現状の機能系の味に満足している人の割合は約2200万ケース分にとどまるという。「未充足ニーズがまだまだあり、市場ポテンシャルは大きい」と同社はみている。

 19年に一部業務店でテスト販売を実施したが、味に課題が残った。しかしその後、「プレミアムモルツ」や「マスターズドリーム」といったプレミアムラインで培った醸造技術を駆使し、「贅沢飲みごたえ〈糖質0〉製法」を開発。これはプレミアムビールと同じ麦芽を一部に用いて、トリプルデコクションという煮沸工程を3回繰り返す手間と時間のかかる製法で、糖のもととなる麦芽中のでんぷんを細かく分解し、糖質がゼロになるまでじっくりと発酵させる。「元気な酵母が糖質を食べつくして糖質ゼロを実現。ビールならではの刺激、麦芽のうまみ、ホップの良質な苦みを感じられる。コクがあってキレがある」(同社)。他社との比較試飲をした流通担当者らも、その味に驚いたという。

 飲めば魅力は伝わると考え、マーケティング施策では飲用機会の創出を重視する。そこで21年2月24日~3月21日には350ミリリットル缶4本セットを5万人にプレゼントするキャンペーンを、発売に先行して実施した。

 20年10月に酒税法改正でビールが値下がりした。同年11月に同社が実施した調査では、6割以上がビールの飲用機会が増加すると答えた。コロナ禍で健康意識がさらに高まったことで、20年2月以降の機能系ビールの販売容量は前年を超えたという。パーフェクトサントリービールの発売時期は「まさにドンピシャなタイミング。これからの時代のビールに求められるものは最高のおいしさと機能の両立になる」(サントリービール)。

 パッケージデザインも本気度が伝わるものにした。サントリービールを表す、太陽、鳥、ビールをモチーフにしたロゴ、同社が大切にする紺色と金色のカラーを採用。赤に白抜きで糖質ゼロを訴求することで視認性も高めた。

サントリービールを表す、太陽、鳥、ビールをモチーフにしたロゴ、同社が大切にする紺色と金色のカラーを採用し、本気度が伝わるパッケージデザインに
サントリービールを表す、太陽、鳥、ビールをモチーフにしたロゴ、同社が大切にする紺色と金色のカラーを採用し、本気度が伝わるパッケージデザインに

 21年3月上旬時点で累計1億本(350ミリリットル缶換算)を突破した「キリン一番搾り 糖質ゼロ」の独壇場ともいえる糖質ゼロビール市場に、後発として挑むパーフェクトサントリービール。こん身の一作で一矢を報いることができるか。

(写真提供/サントリービール)

■変更履歴
特許の説明に一部誤りがありました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。[2021/04/01 17:40]