日本コカ・コーラは公式アプリ「Coke ON」で、月額2700円(税込み)のサブスクリプションサービスを導入する。開始は2021年4月12日。歩数計やキャッシュレス決済と機能拡張を続け、会員数は3月現在2600万人を超える。リリースから5年目の新たなフェーズとして、サブスクを採用した理由と狙いを担当者に聞いた。
1日1本好きなドリンク、4割超える割引も
Coke ONの新しいサブスクリプションサービス「Coke ON Pass」は、月額2700円で全国に34万台あるキャッシュレス決済Coke ON Pay対応自販機から、1日1本好きなドリンクを受け取れる。交換対象はコカ・コーラの全製品。決済はクレジットカードやクレジットカードにひもづいたApple Payを利用するため、対象者は20歳以上の成人に限定し、先着10万人で募集を締め切る。サービス開始日の4月12日から5月31日までは月額が半額の1350円になる「サービススタート記念 半額キャンペーン」を開催する。
Coke ONでサブスクサービスを導入するのは初めてだ。20年には北海道でテストマーケティングを実施した。既存ユーザーの中から、直近のアプリ利用頻度や購買行動を基に、大規模展開した場合の縮小投影になるよう分布を考慮して参加者を招待し、サービスを利用してもらった。利用期間は年末の短期間で実施したものの、好意的に受け入れられたという。
「自販機では一番安い製品を購入していたが、価格を気にせずその時に飲みたいものが飲めるようになった」「(価格が)高くて手が伸びなかったエナジードリンクを毎日飲めて得した気分」など、価格面での優位性を評価する声が多かった。さらに、これまでオフィスに設置されたCoke ON対応自販機を主に利用していたユーザーが、積極的に家の近くでも自販機を探すようになり、自販機との接触回数が増えたという。
日本コカ・コーラ ベンディング デジタル リテール シニア・ディレクターの山下純一氏は、「Coke ON Passは、いろいろなわずらわしさから解放するサービス。価格を気にせず好きなドリンクが選べ、対応自販機はコンビニの数よりも多いため場所を問わずどこでも使える。Air冷蔵庫として活用してもらえる」と、ユーザーにとっての利便性を説明する。
実際、どれくらいお得なのだろうか。地域などの条件により価格がばらつくため一概には言えないが、比較的高価格帯のエナジードリンクまたはトクホ製品などを160円で購入する場合で試算してみよう。
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