花王の衣料用洗剤「アタック ZERO」で、同社の国内衣料用洗剤で初めて100%再生プラスチック製容器を採用する。2021年4月10日のリニューアルに合わせて容器も改良した。同社は25年までに国内日用品すべてのPET素材ボトルを同素材に切り替えるとしている。同月3日に改良発売する食器用洗剤「キュキュット泡スプレー」の容器にも使用する。

4月10日に改良発売する花王「アタック ZERO」。容器を100%再生プラスチック製にし、「抗菌+(プラス)」「ウイルス除去」「洗たく槽防カビ」の3つの性能を明記する
4月10日に改良発売する花王「アタック ZERO」。容器を100%再生プラスチック製にし、「抗菌+(プラス)」「ウイルス除去」「洗たく槽防カビ」の3つの性能を明記する
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容器もサステナブルに

 「アタック ZERO」は2019年の発売後、既存ユーザーのみならず新規ユーザーも取り込んで着実に伸長し、20年の販売実績は19年比16%増の2桁成長だった。

 30年間洗濯洗剤市場で首位だった「アタック」が従来製品を排し、ブランドを一本化して生まれた大型製品のアタック ZERO。汚れゼロ、洗剤残りゼロ、ニオイゼロの「ゼロ洗浄」として訴求する洗浄力の高さや、片手で適量を出せる「ワンプッシュボトル」、ドラム型洗濯機専用洗剤といった製品特徴を、5人の俳優を起用したCMでアピールしてブランドの生まれ変わりを印象付けた。

 今回、改良対象となった機能には、アタックZEROの洗浄力でも特徴的な「汚れが付きづらい繊維にする」というものがある。繊維の表面を親水化して皮脂汚れを落ちやすくする繊維改質技術「AC-HEC(エー・シー・ヘック)」が汚れをすばやく吸着して繊維から引きはがす役割を担うのだが、従来は主に皮脂汚れに強かったのを大気中の粒子汚れにまで対応できるように進化させた。粒子汚れは洗濯中のくすみや黒ずみの原因であるため、リニューアル後は洗濯を繰り返すたび白い繊維がその白さを取り戻すという。

 パッケージデザインには、これまで記載していなかった「抗菌+(プラス)」「ウイルス除去」「洗たく槽防カビ」の3つの性能を明記する。花王ファブリックケア事業部ブランドマネジャーの原岡理映氏は、「時代によって変わる衛生面での不安が解消されること」を目的にしたと述べる。新型コロナウイルスの感染拡大で、衣類に付いたウイルスが気になるようになったり、洗濯の頻度が増えたりしている生活者の衛生意識の変化に応える商品であることを明確に訴求する。

2030年までにCO2を22%削減

 花王は同社のESG(環境、社会、ガバナンス)戦略「Kirei Lifestyle Plan」のもと、製品の包装容器に使用されるプラスチック資源の削減を進めている。花王製品にまつわる過程(製品ライフサイクル、原材料の選定から分別・回収・処理・リサイクルまで)で生まれる二酸化炭素(CO2)の削減量は、2030年までに22%を掲げる。温暖化ガスにおいても、自社における直接排出量と他事業者から供給された電気などの使用に伴う間接排出量の合計で同じく30年までに22%削減を目標にしている。

製品ライフサイクルで生まれるCO2削減量は2030年までに22%を掲げる
製品ライフサイクルで生まれるCO2削減量は2030年までに22%を掲げる
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 花王ESG部門ESG広報担当部長の大谷純子氏は、「花王の製品ライフサイクルにおいて、原材料を選ぶ場面と、使う場面で環境負荷が最もかかっている」と指摘。それぞれの段階のCO2排出量は、全体の38%と39%で突出している。使用場面での高さは日常での使用頻度が高い洗浄剤の製品特性によるものだ。花王では10年前から衣料用洗剤の1回すすぎを提案し、より少ない量でより早く汚れが落ちる技術を開発。水や電気使用量も減らし、2回すすぎに比べ3割以上もCO2排出量が削減できるという。

 すすぎ1回のアタックZEROは、原料にヤシの実のしぼりかすを活用した基剤「バイオIOS」を使用しており、サステナブル(持続可能)な衣料用洗剤としても独自性を高めている。今回のリニューアルで容器を100%再生プラスチック製に切り替えることで、製品ライフサイクルの原材料を選ぶ段階、使う段階ともに環境負荷の軽減が期待できる。

 大谷氏は、「国内で25年までに日用品ボトルをすべて100%再生プラにする」と説明。4月3日に改良発売する食器用洗剤「キュキュット Clear(クリア)泡スプレー」のボトル容器にも、同素材を使用する。

(画像提供/花王)