ファッション通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するZOZOは2021年3月18日、同サイト内にコスメ専門モール「ZOZOCOSME(ゾゾコスメ)」をオープンした。フェースカラー計測ツール「ZOZOGLASS(ゾゾグラス)」を使うことで、最適なファンデーションをマッチングしてくれるのがZOZOCOSMEの特徴。ZOZOGLASSの予約件数は1月29日の受け付け開始から約1カ月半で50万件を突破している。
ZOZOCOSMEは、資生堂やDior(ディオール)など国内外500以上の化粧品ブランドがそろうコスメ専門モール。ZOZOTOWN内の専門モールとしては靴の専門モール「ZOZOSHOES(ゾゾシューズ)」に次ぐ2番目だ。ZOZOがZOZOCOSMEをオープンした背景には「コスメも販売してほしい」という社内外の声があった。
ZOZOCOSME最大の特徴が、フェースカラー計測ツールのZOZOGLASSだ。この眼鏡を掛けた状態でスマートフォンアプリの「ZOZOTOWN」を利用して肌の色を計測すると、ブランドを問わず、その人に最適なファンデーションをマッチングしてくれる。ファンデーションは色の違いが微妙なため、どの製品が自分の肌の色に合うのか迷う人は多い。新型コロナウイルス感染拡大で店舗に行けず試用もできない状況では、自宅にいながら自分に合ったファンデーションを選べるありがたいツールといえる。
ZOZOGLASSは、3D計測用ボディースーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」、足形の3D計測マット「ZOZOMAT(ゾゾマット)」に続く計測ツールの第3弾だ。ZOZO カテゴリ推進本部 本部長の乾卯太弘氏は「サービスと計測ツールを組み合わせることで『こんなことができるのか』という驚きを与えられるような仕掛けをつくっている」と話す。
2021年3月18日のZOZOCOSMEオープンに合わせて配布するため、ZOZOGLASSの予約受け付けを1月29日に開始した。「ZOZOTOWNのサイトや会員向けの配信メールで告知をした程度」と乾氏は言うが、予約件数は受け付け開始からZOZOCOSMEオープンまでの約1カ月半で50万件を超えた。
この人気について乾氏は「見た目のインパクト、技術面の面白さなどでメディアに取り上げられたことが大きい」と分析している。ZOZOがコスメ市場に参入する計画は以前からあったそうだが、ZOZOCOSMEのオープンがコロナ禍のタイミングとなった影響も少なからずあるだろう。
ZOZOの発表によれば、過去1年間にZOZOTOWNを利用した女性会員は533万人。その多くはZ世代(16~24歳)とミレニアル世代(25~38歳)で、全体の7割前後を女性が占めているとのこと。カラフルで見た目もかわいいZOZOGLASSは若い女性のウケを狙ったのかと思いきや、乾氏は「カラーチップの配置は必然。正確に計測するために必要な色、必要な面積を必要な場所に配置してある」と言う。「そうした制約の下、できるだけポップで女性に受け入れられやすいよう、デザインや掛け心地にもこだわった」(乾氏)
先述したZOZOMATも希望者に無料で配布しているが、そちらはラミネート加工した紙素材だ。それに比べるとZOZOGLASSはプラスチック素材のしっかりしたつくり。コスト面で折り合いがつくのか気になるが、乾氏は「日焼けすれば肌の色は変わってしまう。ZOZOGLASSは繰り返し使ってもらうことになるので耐久性も重視した。自社で工場を探して直接交渉することでコストを抑えた」とZOZOGLASS開発の苦労を語る。定形外郵便物の規格内で郵送できるよう、折り畳んだときの厚みや重量にも配慮したそうだ。
ZOZOGLASSが対応しているファンデーションは、サービス開始時点で20ブランド以上、400点以上の製品となっているが、今後も順次拡大していくとのこと。将来的にはアイシャドーや口紅などへも適応範囲を広げていく予定だ。顔の形状も計測できるので、フェースカラー計測の結果と合わせて、その人に似合う服装も提案できないか検討しているという。サービスのアップデートについては、ZOZOCOSME特設ページや公式インスタグラムなどで告知していく。
(写真提供/ZOZO)