ファーストリテイリング傘下のジーユー(GU)は女性の健康サポートを目的とした「GU BODY LAB(ジーユー ボディ ラボ)」プロジェクトを始動する。まずは吸水機能付きショーツなど9商品を販売。ジーユーとしてはもちろん、オムロン ヘルスケアと協業するなどして女性の健康に貢献する商品を開発する。

「GU BODY LAB(ジーユー ボディ ラボ)」プロジェクトの発表会には、ジーユーのグローバル商品本部 VCP部門 インナーチームリーダーの椎名玲子氏(左)と、オムロン ヘルスケアのグローバルコミュニケーション統括部 広報部でオムロン式美人プロジェクトリーダーの石崎恵氏(右)が登壇した
「GU BODY LAB(ジーユー ボディ ラボ)」プロジェクトの発表会には、ジーユーのグローバル商品本部 VCP部門 インナーチームリーダーの椎名玲子氏(左)と、オムロン ヘルスケアのグローバルコミュニケーション統括部 広報部でオムロン式美人プロジェクトリーダーの石崎恵氏(右)が登壇した

 ジーユーがフェムテック(Femtech)市場に参入する。

 GU BODY LABは、ジーユーが2021年3月8日に発表した「女性の健康をサポートする」ことを目的とするプロジェクト。第1弾として、吸水機能付きのショーツなど9商品の販売を同日に開始した。

 さらに、オムロンの子会社のオムロン ヘルスケアと協業して女性の健康に貢献する商品開発を開始することも発表。オムロン ヘルスケアとMTI(エムティーアイ)が運営する健康管理アプリ「ルナルナ」より情報提供を受け、女性の健康リテラシーの向上を目的とする「FEMALE LIFESTYLE FACT BOOK(フィメール ライフスタイル ファクトブック)」も創刊する。

素肌に直接着用するタイプの9商品

 GU BODY LABが第1弾として発売したのは、いずれも素肌に直接着用するタイプの商品だ。

 目玉は約15~20ミリリットルの水分を吸収する「トリプルガードショーツ」(税込み1490円)だろう。月経期間をより快適に過ごすのに必要な機能を付加した下着であるサニタリーショーツとしても活用できる。

「トリプルガードショーツ」は、3層構造で約15~20ミリリットルの液体を吸収するという、次世代型のサニタリーショーツとして注目
「トリプルガードショーツ」は、3層構造で約15~20ミリリットルの液体を吸収するという、次世代型のサニタリーショーツとして注目

 近年使用者が増えている、寝ている間もバストをサポートする「ナイトブラ(レース/リブ)」(同 1490円)は発売直後からオンラインショップで人気商品になっている。タグを内側に縫い付けることで、不快感を抑え、睡眠時に配慮した。

 「スタイルサポートシェイパー」は程よい着圧でボディーラインを整えるシリーズ。「バストサポートシェイパー(レース)」「シェイパーショーツ(レース/レースハイウエスト)」「シェイパーショーツ(4分丈)」(いずれも税込み1490円)、「シェイパータンク(カップ付き)」(税込み1990円)の4種類がある。

 在宅ワークが増える中、時代に則した商品と言えそうなのが、リラックスルームソックス・シリーズだ。ラインアップは「足指リラックスソックス」(税込み590円)、「カーフサポート」(税込み390円)、「レッグサポートソックス」(税込み790円)の3種類。足指リラックスソックスは足指の間が広がるので、足の爪のケアをするときにも役立つ。

「足指リラックスソックス」(税込み590円)は履くだけで心地よく足の指の間が広がるので、ネイルケアをするときにも使いやすい
「足指リラックスソックス」(税込み590円)は履くだけで心地よく足の指の間が広がるので、ネイルケアをするときにも使いやすい

女性の健康リテラシーの向上目指す

 GU BODY LABは、ジーユーが19年12月に発表した、「3つのコネクト宣言」の流れをくむものだ。

 宣言では「生活者」「生産者」「地球」とコネクトする商品やサービスを開発、提供するという方針を示した。加えて新型コロナウイルス感染症の拡大による生活スタイルの変化を受け、20年12月に開催した「ジーユー2021年春夏方針発表会」では、「ファッション×低価格」「家族重視・生活様式の変化」「健康・安心・快適志向」「サステナビリティ」をキーワードとする商品展開を提示。GU BODY LABはこの中の「健康・安心・快適志向」を担うことになる。

 オムロン ヘルスケアとの協業は、健康面においての信頼性を高める側面もあるだろう。ジーユーグローバル商品本部の椎名玲子インナーチームリーダーは「女性の健康に関する商品の要望が多く、開発してきていた」としつつも、それだけでは収まらない、「女性の健康リテラシーの向上も目指し、情報発信を強化する取り組みも行うため」に協業したと説明。

 一方、オムロン ヘルスケアでは、ホルモンバランスや月経管理に活用できる基礎体温計や、体組成計など女性のニーズに合った使いやすい商品を販売している。09年からは月経や妊娠・出産、更年期、ライフスタイルに関する情報を提供するコンテンツ「オムロン式美人」を運営。メソッド提供も行ってきており、すでに実績があるといえる。

 オムロン ヘルスケアのグローバルコミュニケーション統括部 広報部の石崎恵氏は、「(今の社会人の女性たちが受けてきた)健康教育は中学あるいは高校が最後ではないか。だが、当時と今の社会環境は大きく異なる。(晩婚化や婚姻率の低下で)出産回数が減り、生涯で経験する月経の回数が増えている。また女性の役割はより多様化している」とし、ジーユーとの協業で、現代の社会生活に合った、身体の仕組みの理解促進を進めていく考えを示した。

 ジーユーの椎名氏は、オムロン式美人に加え、生理日予測をはじめとする女性のための健康管理アプリ、ルナルナからの情報提供を受けて、FEMALE LIFESTYLE FACT BOOKを創刊することについても触れ、「正しい情報を発信し、女性のライフスタイルを豊かにしていきたい」と話した。

「FEMALE LIFESTYLE FACT BOOK」を創刊することも発表した
「FEMALE LIFESTYLE FACT BOOK」を創刊することも発表した

フェムテックは4年で世界5兆円市場に

 今回、ジーユーが参入するフェムテック(FemaleとTechnologyを合わせた造語、女性が抱える健康課題をテクノロジーで解決する商品やサービス)市場は、新しいマーケットの1つとして各企業が注目している。特に「欧米中心に急速普及」(ジーユーの椎名氏)している市場であり、米国のコンサルティング会社フロスト&サリバンによれば、25年までに世界規模で500億ドル(約5兆4000億円)市場になると予測されている。

 同市場で扱うサービスに含まれるのは、生理や妊娠・不妊、女性特有疾患の診断・治療、更年期など幅広く、女性のQOL(Quality of Life)の向上をサポートし、女性の一生に寄り添う新たな分野として期待されている。

 「商品販売だけが目的ではない」(ジーユーの椎名氏)というが、顧客が商品購入だけで終わらず継続的に情報にアクセスするために、どのようなサービスを提供していくのか。オムロン ヘルスケアとの商品開発も鍵となりそうだ。

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