バーベキュー(BBQ)グリルの世界的トップブランドである米ウェーバーがスマートBBQグリル「Weber Pulse 1000」を発売した。熱源が電気であることを生かし、IoT技術で調理を管理。従来製品と一線を画す魅力をアピールする。

米ウェーバーのスマートBBQグリル「Weber Pulse 1000」
米ウェーバーのスマートBBQグリル「Weber Pulse 1000」

70年の歴史を持つトップブランド

 米ウェーバーの日本法人Weber-Stephen Products Japan(東京・港)が2021年3月2日に発売した「Weber Pulse 1000」は、IoT技術を駆使した温度管理が可能なスマートBBQグリルだ。

 日本ではBBQというと炭火などの熱源を使った網焼き、鉄板焼きが一般的だが、ウェーバーのBBQグリルは開閉式の「蓋」をしつらえているのが大きな特徴。蓋の裏側の反射板により庫内に熱が均等に行きわたり、厚みのある食材でもむらなく調理することができる。

 オプションのグリドル(鉄板)やピザストーンを使えば、調理の幅も大きく広がる。ウェーバーのBBQグリルはその言葉からイメージするよりも、かなり万能に使える調理器具と言える。

 蓋付きのグリルは、1952年に発売した世界初の蓋付きグリル「Weber ケトルグリル」の流れをくむ製品で、日本法人代表のアダム・ホール氏によると、発想のベースになったのは海に浮かぶ「ブイ(buoy:浮標)」とのこと。以来、70年にわたってウェーバーはBBQグリルのトップブランドとして製品開発を続けてきた。

 基本的な構造こそほとんど変わらないが、70年の間に熱源は炭からガス、そして電気へと多様化し、それとともにより安定的な温度管理が実現できるよう進化している。そこに登場したのが、今回のWeber Pulse 1000だ。

「Weber Pulse 1000」の外観。蓋を閉じられるという同社製品最大の魅力を踏襲しつつ、スタイリッシュなデザインに仕上げた。火力調節のダイヤルを使い、庫内の温度を数字で正確に設定することが可能
「Weber Pulse 1000」の外観。蓋を閉じられるという同社製品最大の魅力を踏襲しつつ、スタイリッシュなデザインに仕上げた。火力調節のダイヤルを使い、庫内の温度を数字で正確に設定することが可能

スマートフォンで焼き加減を管理

 熱源が電気のため、アウトドアでの使用は難しいが、その分、電気オーブンレンジのように庫内温度を数値で指定することができる。付属のプローブ(温度計)を素材に差し込むことで中心温度を計測しながらの調理も可能だ。

 さらに、ウェーバー公式アプリ「Weber Connect」で、レシピの検索、表示といった準備から、料理の仕上げまでの全工程をサポートする。レシピでメニューを選ぶと動画で手順を表示。グリルの庫内温度やプローブで計測している食材の中心温度をアプリからモニターできる機能も備えた。それにより、例えばステーキなら肉を裏返すタイミングまでアプリが教えてくれるため、失敗を防げる。

 電気で調理するということで、パワーに不安を感じる人もいるかもしれないが、Weber Pulse 1000の最高温度は316度とパワフル、どんな料理も問題なくこなせる。

 食材を乗せる網はホーローでコーティングされており、メンテナンスが容易なのも特徴。片付ける際は、グリルの温度設定を高くして網表面に付着した食材かすを焦がし、専用のブラシでこすり落とすだけと簡単だ。これも本製品のメリットとなっている。

操作パネルの下にプローブの接続端子2つを装備。調理する素材にプローブを差し込むことで素材の中心温度を計測し、それをスマートフォンの「Weber Connect」に送信、表示する
操作パネルの下にプローブの接続端子2つを装備。調理する素材にプローブを差し込むことで素材の中心温度を計測し、それをスマートフォンの「Weber Connect」に送信、表示する
蓋の開け閉めで温度調節ができるのがウェーバーのBBQグリルの特徴だが、電気ヒーターが熱源の「Weber Pulse 1000」では、ヒーターのオン/オフでより正確な温度管理ができる。別売のグリドルやピザストーンをそろえれば調理の幅はさらに広がる
蓋の開け閉めで温度調節ができるのがウェーバーのBBQグリルの特徴だが、電気ヒーターが熱源の「Weber Pulse 1000」では、ヒーターのオン/オフでより正確な温度管理ができる。別売のグリドルやピザストーンをそろえれば調理の幅はさらに広がる
操作パネル部分は取り外し可能。メンテナンスがしやすい
操作パネル部分は取り外し可能。メンテナンスがしやすい

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