日本コカ・コーラとボトラー5社などからなるコカ・コーラシステムは2021年3月3日、国内の清涼飲料事業において20年のペットボトル容器のリサイクルペット樹脂使用率が前年比7ポイント増の28%だったと発表した。「い・ろ・は・す 天然水」ブランドでの取り組みが大きく寄与した。30年までにペットボトルへの新規石油由来原料使用ゼロを目指している。

東京オリンピック・パラリンピック大会の聖火リレー会場では、100%リサイクルペットボトルを使用したサンプル製品を配布予定
東京オリンピック・パラリンピック大会の聖火リレー会場では、100%リサイクルペットボトルを使用したサンプル製品を配布予定
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一歩踏み込んだロゴで回収を促す

 2018年に清涼飲料業界で初めて米国本社のザ コカ・コーラ カンパニーが発表した、廃棄物ゼロ社会を目指すグローバルビジョン「World Without Waste」では、「2030年までに世界で販売する製品の販売量に相当する缶・ペット容器を回収・リサイクルすることを目指す」としている。

18年に日本コカ・コーラシステムが発表した「容器の2030年ビジョン」
18年に日本コカ・コーラシステムが発表した「容器の2030年ビジョン」
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 それに基づきコカ・コーラシステムは、同年に「容器の2030年ビジョン」を発表。25年までにリサイクルペット樹脂使用率50%、30年までには新たな石油由来原料の使用をゼロにする取り組みを推進している。20年はリサイクルペット樹脂使用率100%の「い・ろ・は・す 天然水 100%リサイクルペットボトル」(555ミリリットル)の全面導入や、ラベルレス製品「い・ろ・は・す 天然水 ラベルレス」へも100%リサイクルペットボトルを導入した。

 ラベルレスに関しては、20年夏以降「綾鷹」「THE TANSAN STRONG」「爽健美茶」でもオンライン販売商品限定で導入を開始した。

 19年にセブン&アイ・ホールディングスと共同でスタートした、“完全循環型”ペットボトルの取り組みでリサイクルペットボトルを採用するSKU(在庫管理の最小単位)も拡大した。セブン&アイグループの店頭で回収したペットボトルを100%使用したリサイクルペットボトルを使い、共同企画の緑茶飲料「一(はじめ)緑茶」シリーズを販売するという取り組みで、リサイクルペットボトル採用製品のラインアップを拡充したことでより大きな成果が期待できる。

19年にセブン&アイ・ホールディングスと共同でスタートした、“完全循環型”ペットボトルの取り組み
19年にセブン&アイ・ホールディングスと共同でスタートした、“完全循環型”ペットボトルの取り組み
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 20年の実績は、使用済みペットボトルを回収し、新たなペットボトルとして再生する、いわゆるボトルtoボトル比率が28%、容器1本当たりのプラスチック使用量も04年比30%まで達成した。同社では30年までに容器1本当たりのプラスチック使用量を35%にする目標を立てており、達成も目前だ。

 ほかにも、自治体との連携やユニバーサル・スタジオ・ジャパンとのコラボレーションなど、啓発活動を続けている。ボトルtoボトルの取り組みをより持続可能なものにするためには、使用済みペットボトルの回収作業が欠かせない。

 そこで、21年2月から順次、新たな啓発ロゴを製品に付けて消費者の意識を高める。1998年から使用してきた「Yes!リサイクルNo!ポイ捨て」から、「リサイクルしてね」と消費者の行動に一歩踏み込んだ内容となる。

 日本コカ・コーラサスティナビリティー推進部の飯田征樹部長は、「強いメッセージを投げかけることで行動や意識に変容をもたらし、適切なリサイクル、回収アクションにつなげたい」と、狙いを語る。今後は、全世界的に各国の言葉に変えて呼びかけていく。

 容器の2030年ビジョンでの数値目標は市場製品に関するものだが、21年からはサプライチェーンの起点においてもボトルtoボトル、プラ削減の取り組みを実施する。全国のボトラー社に届ける各製品の原液を国内で唯一製造する守山工場(滋賀県)では、ボトラー社に発送する充填用のペットボトルを100%リサイクルペットボトルに切り替える。グローバルのコカ・コーラ全体において原液製造工場の取り組みとしては初めての取り組みとなる。

 1月から1ガロン、0.5ガロン容器を、6月からは550ミリリットル容器を順次切り替えていく。これにより、年間CO2排出量を約27トン削減、新規の石油由来原料のペットボトルの使用量は51トン削減する計画だ。容器の2030年ビジョンの目標値にはこの取り組みの成果は含まない。「サプライチェーンの源流に近いところから意識徹底していく」と、飯田氏は全社的な取り組みをアピールした。

(写真提供/日本コカ・コーラ)