全国小売店の販売データを集計する日経POS情報で、2021年2月の来店客千人当たり販売金額の前年同月比伸び率を調査したところ、コロナ禍に入って上位の顔ぶれが不動だった食品カテゴリーで増加率ランキング1位に「ココア・チョコレート飲料」が躍り出た。リードしたのは、北海道土産の定番をドリンクにした期間限定商品だった。
日経POS情報の食品カテゴリーにおける2021年2月の来店客千人当たり販売金額前年同月比伸び率上位は、1位「ココア・チョコレート飲料」(136.2%増)、2位「スピリッツ」(121.6%増)、3位「リキュール」(55.9%増)、4位「中国酒」(41.4%増)、5位「チルドケーキ」(29.1%増)の順だった。コロナ禍の巣ごもり生活で“家飲み”需要からアルコール類が伸び、上位常連カテゴリーになっていたが、そこに突如、ココア・チョコレート飲料が現れトップに立った。
ココア・チョコレート飲料の千人当たり販売金額は、右肩上がりで推移してきた。19年3~5月の240円前後から、19年10~12月は290円前後、20年7~9月は330円前後、20年10~12月は400円前後にまで伸ばしていた。
直近2年間のココア・チョコレート飲料の好調をリードしてきたのが、紙パック入りの商品だ。ココア・チョコレート飲料は、紙パック入りとチルドカップ入りに大別され、紙パック入りが販売金額の7~8割を占める。紙パック入り商品の代表格が、明治の「サバス ミルクプロテイン」。運動後のミルクプロテイン摂取でタンパク質合成が高まるとされることから、筋トレなどに励むトレーニング愛好家が買い求め、購入者の裾野が広がりを見せていた。
だが21年2月に販売金額を大きく伸ばしたのは、チルドカップ入り商品。通常月は紙パック入りが7~8割を占めるところ、21年2月はチルドカップ入りが6割を占めて逆転した。
逆転の立役者は「白い恋人ホワイトチョコレートドリンク」
逆転の立役者となったのが、21年2月に発売された「白い恋人ホワイトチョコレートドリンク」。森永乳業が北海道土産の定番商品である石屋製菓の「白い恋人」とコラボレートして、期間限定発売した商品だ。ドリンクの他、「白い恋人サンドアイス」も2月からコンビニで先行発売、3月から全国で期間限定発売している。
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