ユートピアアグリカルチャー(北海道日高町)が、チーズケーキ「CHEESE WONDER」を2021年2月18日に発売した。ユートピアアグリカルチャーは、お菓子のスタートアップとして知られるBAKE(東京・港)を創業した長沼真太郎氏が代表取締役を務める会社だ。自社で放牧酪農や鶏の平飼いを行い、原材料からこだわったお菓子作りを目指す。

ユートピアアグリカルチャーがオンライン限定で販売するチーズケーキ「CHEESE WONDER」
ユートピアアグリカルチャーがオンライン限定で販売するチーズケーキ「CHEESE WONDER」

 「CHEESE WONDER」は、原材料と生のおいしさにこだわっているのが特徴のチーズケーキだ。クッキー部分はアーモンドプードルを使った生地を挟み焼きすることでコクと食感を高め、その上に生チーズスフレと生チーズムースの2層を載せている。1箱6個入りで、毎週金曜・土曜の夜8時からオンラインショップで販売する。販売数は1日100箱で、価格は2980円(税込み、送料別で一律800円)。

1箱6個入りで、毎週金曜・土曜の夜8時からオンラインショップで販売する。発売を記念して2021年3月18日まで東京、福岡の合計3カ所でイートイン方式での販売も行う
1箱6個入りで、毎週金曜・土曜の夜8時からオンラインショップで販売する。発売を記念して2021年3月18日まで東京、福岡の合計3カ所でイートイン方式での販売も行う

 ユートピアアグリカルチャーは、洋菓子を製造販売しているきのとやグループのひとつだ。牧場や養鶏場などの農業事業を行い、そこで生産した原材料をメーンにCHEESE WONDERを製造する。代表取締役の長沼真太郎氏は、チーズタルト、バターサンドなど数々の人気洋菓子をヒットさせ、1ブランド(店舗)1商品というビジネスモデルで注目されたBAKEの創業者として知られる。

ユートピアアグリカルチャーの長沼真太郎代表取締役。CHEESE WONDERの食べ方では全解凍がおすすめだという
ユートピアアグリカルチャーの長沼真太郎代表取締役。CHEESE WONDERの食べ方では全解凍がおすすめだという

 長沼氏は「おいしいお菓子には、“良い原材料を使う”“手間をおしまない”“フレッシュな状態で提供する”という3つの原則があると考えている。しかし良い原材料を使うことは難しく、BAKEでも苦心した。ユートピアアグリカルチャーでは、自社の牧場で作った牛乳や自社の養鶏場で作った卵といった、こだわりぬいた原材料でお菓子を作っている」と原材料へのこだわりを語った。

生のまま冷凍して届ける

 オンラインショップ限定で販売するのは、作りたての生のおいしさを保つように冷凍した状態で購入者に届けるためだ。「チーズスフレは生のままで焼いていない。その上に生のチーズムースを載せている。作りたての一番おいしい状態を届けるために、冷凍した状態でオンライン販売することにした」(長沼氏)。

 冷凍した状態で届くため、冷凍状態のまま食べる、半解凍の状態で食べる、全解凍して食べるの3通りの食感が楽しめるという。

 メーンターゲットは、デザイン性や食に関する感度が高く、環境のことも気にするクリエイターやイノベーターと言われるような人たちで、年間約3000万円の売り上げを目指している。

 ユートピアアグリカルチャーでは牛と鶏の飼育方法にこだわり、約80頭の牛を放牧で、約5000羽の鶏をケージに入れない平飼いで飼育している。これは環境に配慮しつつ、植物性由来の原材料を使わずにお菓子作りをするためだ。

 「米国にいたとき、温暖化ガスを発生して地球温暖化につながるとして、牛が悪者扱いされ、植物性由来の牛乳や代替肉などが普及していくのを実感した。この流れは日本にもやってくる。しかし牛が悪いわけではなく、牛の飼い方が悪いだけ。放牧酪農によるサステナブルなサイクルにこだわっている。お菓子は嗜好品であるからこそ、本物の原材料を使いたい」(長沼氏)

放牧酪農により、牛が排出する二酸化炭素を土壌に吸収・隔離できるという
放牧酪農により、牛が排出する二酸化炭素を土壌に吸収・隔離できるという

 ユートピアアグリカルチャーはCHEESE WONDER以外にも、きのとやの店舗で飲むヨーグルト、牛乳、ソフトクリームを販売している。今後はヨーグルトを使った商品や、放牧牛乳を使った乳製品のお菓子を展開していきたい考えだ。将来的にはバターやチーズの製造にも取り組みたいという。商品を売ることで放牧酪農を広げ、長い時間をかけてサステナブルなサイクルを作っていきたいと語る長沼氏。新事業への取り組みは始まったばかりだ。

(写真提供/ユートピアアグリカルチャー)