全国小売店の販売データを集計する日経POS情報で、2021年1月の来店客千人当たり販売金額の前年同月比伸び率を調査。ランキング上位が不動の食品カテゴリーで気になる動きを見せていたのが、前年同月比57.5%増の「干し芋」。コロナ太り解消のためのダイエット中でも取れる甘いものとして人気を集めた。

Amazon.co.jpの「ほしい物リスト」に干し芋を登録するダジャレも
Amazon.co.jpの「ほしい物リスト」に干し芋を登録するダジャレも
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 日経POS情報の食品カテゴリーにおける2021年1月の来店客千人当たり販売金額前年同月比伸び率上位は、1位「スピリッツ」(75.6%増)、2位「リキュール」(52.6%増)、3位「玩具入り菓子」(48.8%増)、4位「中国酒」(44.6%増)、5位「生クリーム」(43.2%増)の順だった。いずれもコロナ禍の巣ごもり生活で需要が伸び、上位常連カテゴリーになっている。玩具入り菓子は「鬼滅の刃」人気でコラボ商品が増えたことから、トップ5に食い込むようになった。

 ランキング上位が不動の中、編集部が注目したのが、39位の「農産乾物」(22.0%増)。高野豆腐や切り干し大根、乾燥七草、春雨といった乾燥食材をグルーピングしたカテゴリーだ。内訳を見ると、同カテゴリーのリード役になっていたのは前年同月比57.5%増の「干し芋」だった。

 近年、紅芋のタルトや安納芋のスイートポテトのような“お芋スイーツ”が人気になったり、ドン・キホーテの店頭で焼き芋が販売されたりして注目が集まり、1955年(昭和30年)前後の石焼き芋以来となるサツマイモの第4次ブームとの声も上がっている。

 干し芋はサツマイモを蒸して乾燥させた食品で、全国の生産量の9割を茨城県が占めている。腹持ちがよく、食物繊維が豊富で便秘解消が期待できるため、“コロナ太り”からダイエットに取り組んでスイーツを自粛している層に自然な甘さが味わえる商品として受け入れられているようだ。

「干し芋」の千人当たり販売金額の推移
「干し芋」の千人当たり販売金額の推移
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 上図は、干し芋の来店客千人当たり販売金額の年間推移をグラフにしたもの。12月から2月が出荷時期で、冬場に売れる季節性のある商品だ。20~21年シーズンは12月に1034.8円と1000円を超え、21年1月も912.2円を記録。前期のピークだった19年12月の654.9円を大きく上回った。

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