サントリーは、使用済みペットボトルを新たなペットボトル容器に再生して飲料製造に用いる「ボトルtoボトル(BtoB) リサイクル事業」に関する協定を兵庫県東播磨地区の2市2町と締結した。複数の自治体と企業がBtoBに特化した契約を結ぶのは国内で初めて。循環型社会の実現を目指す。

2021年2月3日に発表した「ボトルtoボトル リサイクル事業」のモデル図
2021年2月3日に発表した「ボトルtoボトル リサイクル事業」のモデル図

年間300トンのペットボトルを水平リサイクルへ

 今回の「ボトルtoボトル(BtoB) リサイクル事業」は、地域住民が家庭で廃棄したペットボトルを自治体が回収し、リサイクラー(リサイクル業者)が新たなペットボトル容器に再生させた後、サントリーの工場で飲料製造に使用するという、半永久的に資源を循環できるリサイクルモデルだ。

 本事業にあたって、自治体はこれまで取り組んできたリサイクルルートを変更した。これまでの自治体によるペットボトルリサイクルでは、回収したペットボトルは日本容器包装リサイクル協会(容リ協)に引き渡し、入札でリサイクラーが決められていたため、引き渡し時に再生用途を指定することができなかった。しかし、今回のBtoBリサイクル事業では、容リ協を介さずBtoBのリサイクルを行う業者に直接引き渡せるようになる。

 現状では、回収されたペットボトルが再びペットボトルへリサイクルされる比率は1~2割程度。多くはペットボトル以外のトレーや繊維に再生されるが、その後はリサイクルの用途が限られるためいずれは焼却される。サントリー食品インターナショナル常務執行役員兼サントリープロダクツ社長の中村卓氏は、「(焼却されれば)リサイクルの輪が途絶えてしまう。BtoBは水平リサイクルで、何度も繰り返して半永久的に資源を循環できる」と、今回の取り組みの意義を説明した。

 今回、サントリーと「ボトルtoボトル リサイクル事業」に取り組む自治体は、兵庫県東播磨地区にある高砂市、加古川市、加古郡稲美町、加古郡播磨町の2市2町。2022年には共同で広域ごみ処理施設を始動予定など、廃棄物の適正処理や同地区の環境資源の保全に注力し、地域住民・行政・事業者による三位一体の「循環型社会」の実現を目指している。高砂市にはサントリーの関西エリアの飲料製造を担う高砂工場があること、30年までに化石由来原料の新規使用ゼロを目指す同社と循環型社会への思いが一致していることから、今回の事業締結に至った。

 同地域の家庭で廃棄される年間のペットボトル量は、18年で約300トン。それを新たにペットボトル容器に再生し、サントリー高砂工場で飲料製造に使用し、同地域や近隣エリアで販売する。この水平リサイクルのスキームで複数自治体と企業が独自に契約を結ぶことは国内初の取り組み。都倉達殊高砂市長は、「環境先進都市を目指して取り組みを進めたい」と意気込んだ。

 地域内のスーパーなどで廃棄されるペットボトルは約530トンあるといい、今後はそれらの事業者との協業も進めていきたい考えだ。中村氏は、「今後は地域住民、自治体、企業三位一体の活動を全国に広げていきたい」と、活動の拡充を視野に入れた取り組みを示唆した。

 全国にあるサントリーの工場全体のペットボトル使用量は年間約12万トンで、高砂工場では約8750トンになるという。20年度の同社のリサイクルペットボトルの使用比率は工場全体で26%、高砂工場ではリサイクラーの数が関東に比べ少ないため21%にとどまったが、今回の取り組みで21年度の同工場での使用比率を70%以上まで引き上げる。

(写真提供/サントリー)

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