11都府県で発出された新型コロナウイルスの感染拡大に対応する緊急事態宣言が、当初の解除予定だった2021年2月7日から同年3月7日まで、栃木県を除く10都府県で延長することが決まった。20年春に続く2回目の緊急事態宣言は各社にどんな影響を与えたか。20年1月の既存店売上高月次データから探る。
既存店の売上高や客数、客単価の月次データを公表している企業の多くは、当月のデータを翌月初旬に発表する。ただ一部企業では、毎月20日締めで月次データを出しているケースもある。その場合、21年1月の月次は20年12月21日から21年1月20日の数字ということになる。そこで緊急事態宣言の影響を探るべく、20日締めの月次データを公表している企業の動向を追ってみたい。
まず、前年同月比プラスで推移したのが、衣料専門店のしまむら。21年1月の既存店売上高は前年同月度比107.6%。客数は同104.1%、客単価は同103.3%で、20年9月以降、5カ月連続で前年を上回っている。
1月が好調だった要因として、同社は年末以降の強い冷え込みで肌着やインテリアなど実用品を中心に冬物商品が良好に推移したこと、巣ごもり傾向の強まりでリラクシングウエアやスポーツウエアも好調だったことを挙げている。なお同社は20年10月から自社ECサイト「しまむらオンラインストア」を開設。20年10月以降の既存店売上高にはECの売り上げが含まれている。店頭での商品受け取りが多く、“ついで買い”を誘発できているようだ。
15カ月ぶりに既存店売上高が前年同月比を下回ったのが、ベビー・子供衣料を全国展開する西松屋チェーン。21年1月度の既存店売上高は前年同月比99.2%。客単価は同102.0%と前年を上回ったが、客数が同97.3%と落ち込んだことで、19年10月以来の前年同月割れとなった。全店売上高は100.5%と微増を確保している。
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