三井住友カード(東京・港)が2021年2月1日にキャッシュレス決済の新戦略を発表した。目玉は大きく分けて2つ。カード券面からカード番号や有効期限などの表記をなくした「ナンバーレスカード」の新規発行と、原則的に利用金額に応じてカード利用者に還元されるポイント(Vポイント)の利用範囲の拡充だ。後者のポイント戦略で同社の強みが発揮されそうだが、新戦略には店側の導入をどうやって進めるかという課題もある。
三井住友カードが2月1日から新たに発行し始めた「ナンバーレスカード」は、「コロナ禍などの影響でキャッシュレス決済が普及するにつれ、カード利用者の安心・安全へのニーズが高まっているのを踏まえて開発した新商品」(三井住友カード社長の大西幸彦氏)という位置付けだ。
2020年2月にカード裏面に表記するように変えたカード番号、有効期限、セキュリティーコードを、今度はカードに表記しないようにして、「完全ナンバーレスカードを実現した」(三井住友カード執行役員マーケティング本部長の佐々木丈也氏)。カード利用者は、スマートフォンにインストールした専用アプリ「Vpassアプリ」でカード番号などのカード情報を確認する。
最大5%の大幅なポイント還元策に踏み切る
だが、このカードが持つ「カード券面にカード番号などの記載なし」「カード番号はアプリで確認」「年会費無料」といった特徴は、クレディセゾンが20年11月に発行した「SAISON CARD Digital」の後追いといってよく、新味は感じられない(参考記事「セゾンがデジタルカードに舵 物理的クレジットカードなしで発行」)。
それもあってか、三井住友カードは普及のために大胆なポイント還元策を打ち出した。「セブンーイレブン」「ファミリーマート」「ローソン」という主要コンビニエンスストアと「マクドナルド」の対象店舗でナンバーレスカードを使って決済した場合、通常の0.5%に加えて最大でプラス2%のポイントを還元。さらにカード決済の際に、カードを専用端末にかざして決済する非接触決済の「Visaのタッチ決済」か「Mastercardコンタクトレス」を利用した場合、最大でプラス2.5%のポイントが還元される。
つまり、ナンバーレスカードを使って対象店舗でタッチ決済すれば、通常0.5%しか還元されないのに、最大で5%のポイントが還元されるわけだ。それも、「一時的なキャンペーンではなく恒久的な措置」(佐々木氏)である。コンビニやマクドナルドを頻繁に利用し、スマホになじんでいるカード利用者にとっては、確かに魅力的だろう。
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