カシオ計算機とアシックスが共同事業を開始する。2021年1月27日に第1弾としてランナー向けパーソナルコーチングサービス「Runmetrix(ランメトリックス)」の提供開始を発表した。第2弾としてウオーキングの新サービスも予定しており、25年度に年間売り上げ100億円、専用アプリの登録者500万人を目指す。21年内の共同出資会社設立も検討する。

Runmetrix用のモーションセンサーと組み合わせることで、ランニング中にリアルタイムでフォームの乱れなどをモニタリングできるカシオ計算機の腕時計「GSR-H1000AS」
Runmetrix用のモーションセンサーと組み合わせることで、ランニング中にリアルタイムでフォームの乱れなどをモニタリングできるカシオ計算機の腕時計「GSR-H1000AS」

 「Runmetrix」は、カシオ計算機(以下、カシオ)が開発するモーションセンサー「CMT-S20R-AS」、G-SHOCKシリーズの腕時計「GSR-H1000AS」、スマホアプリと、アシックスが持つスポーツ工学の知見や走りのデータを組み合わせたサービスになる。

 従来の走行距離と心拍数をベースにした身体測定に加え、モーションセンサーで体幹の傾きや骨盤の回転、接地衝撃といったランナーの体の動きを測定して、ランニングフォームを分析できるのが特徴だ。走りの特徴を可視化し、改善点や練習プランなどを提案する。初心者から上級者まで、目的やレベルに合わせた正しい走り方を教えてくれるパーソナルコーチングシステムを実現できるという。分析結果はスコアで表示され、ランナーのモチベーション向上にもつながる。

ランニング中の体の動きを測定するモーションセンサー「CMT-S20R-AS」
ランニング中の体の動きを測定するモーションセンサー「CMT-S20R-AS」
体の動きを測定することでランニングフォームを分析し、効率的でけがをしにくい走り方をコーチングしてくれる
体の動きを測定することでランニングフォームを分析し、効率的でけがをしにくい走り方をコーチングしてくれる

 Runmetrix用モーションセンサー「CMT-S20R-AS」のメーカー希望小売価格は1万4080円。ランニング中にリアルタイムでフォームの乱れや心拍などをモニタリングできる腕時計「GSR-H1000AS」とのセットは希望小売価格5万7200円(いずれも税込み)で、2021年3月4日に発売する。サービスは「CMT-S20R-AS」のみでも利用できる。専用アプリ「Runmetrix」はリリース済みで、センサーの発売まではスマホのGPSを利用して走行時間や距離などの記録と管理ができる。

 アシックスからは、G-SHOCKとのコラボレーションモデルとなるランニングシューズ「NOVABLAST(ノヴァブラスト)」のスペシャルカラーモデルが発売される。直販価格は1万8700円(税込み)。

G-SHOCKとのコラボレーションモデルとなるアシックスのランニングシューズ「NOVABLAST」スペシャルカラーモデル
G-SHOCKとのコラボレーションモデルとなるアシックスのランニングシューズ「NOVABLAST」スペシャルカラーモデル

 21年10月には第2弾としてウオーキングの新サービス「Walkmetrix(ウォークメトリックス)」も予定している。Runmetrixと同様の技術でウオーキングを分析し、適切な歩き方を教えてくれるサービスになるという。

 カシオの樫尾和宏社長は「ウエアラブル市場が飛躍的に拡大している。また健康寿命が重要視され、スポーツや健康への意識が高まっている。カシオのデジタル技術と、アシックスが持つ走りの知見やビッグデータにより新しい顧客体験を提供し、ウオーキング、ウエルネスサービス領域へと拡大していきたい。本構想に向けて共同出資会社の設立を検討している。海外進出も目指す」と意気込んだ。

カシオ計算機の樫尾和宏社長(右)とアシックスの廣田康人社長COO(左)
カシオ計算機の樫尾和宏社長(右)とアシックスの廣田康人社長COO(左)

 コーチングに対する課金など有料サービスの提供を検討しており、共同出資会社で25年度に年間100億円の売り上げ、アプリの登録者数500万人を目指すという。設立の目的は「技術の進歩が速いため迅速な判断が大事になる。他のパートナーも含めてやっていきたい考えもあり、両社合意のうえでスピーディーに取り組むため」(樫尾社長)とした。

 アシックスの廣田康人社長COO(最高執行責任者)は「コロナ禍で健康意識が高まり、1人でできるランニングやウオーキングが注目されている。そこに、パーソナルコーチングサービスを提供したい。アシックスはモノの製造に注力してきたが、それを使って楽しむ環境も重要だ。それをデジタル技術を使って提供していく」と狙いを述べた。ユーザーとのタッチポイント拡大を目指しており、トレーニング施設などの既存設備や既存サービスとの連携も視野に入れているという。

 コロナ禍で健康意識が高まると同時に密を避ける必要もあり、1人でできるスポーツの人気はさらに高まりそうだ。密になることなくコーチングが受けられ、モチベーション向上につながるサービスとしてスタンダードを目指す。

(写真提供/カシオ計算機、アシックス)