「e-tron GT」の導入も?

 Q4スポーツバックe-tronは人気のクーペスタイルのSUVで、全長は4.6メートル。全長4.9メートルのe-tronやe-tronスポーツバックよりもやや小ぶりなため、より日本に適したEVといえるだろう。

 ノアック社長は「早ければ10月、遅くとも18カ月以内の発売を目指したい」と早期投入に向けて強い意気込みを見せた。また今後市販が見込まれるEVスポーツカー「e-tron GT」の発売にも前向きなようだった。

 日本市場への意欲は、21年1月14日から5月31日までの期間限定のブランドストア「Audi House of Progress Tokyo」を東京・青山に開設したことからも伝わってくる。「House of Progress」はアウディのブランド発信基地で、東京を皮切りに全世界で展開されるという。同所には既にアウディQ4スポーツバックe-tronのコンセプトカーが展示されており、日本市場に対する関心の高さがうかがえる。

ブランドストア「Audi House of Progress Tokyo」には「Q4スポーツバックe-tron」のコンセプトモデルが日本で初めて展示された
ブランドストア「Audi House of Progress Tokyo」には「Q4スポーツバックe-tron」のコンセプトモデルが日本で初めて展示された

 ノアック社長はプレゼンテーションの締めくくりに、21年のアウディジャパンを示す漢字として「躍」を掲げた。「躍進、飛躍という意味がある」と説明するノアック社長の言葉からは、厳しい状況下でも成長の歩みを止めない強い意気込みが感じ取れた。

 21年もアウディは日本市場に31億円の投資を行う。新店舗4店を開設する他、17拠点のリニューアルも計画しているそうで、「顧客第一主義」の姿勢を継続しつつ、新たなファン獲得に向け精力的に取り組んでいく。

 ジャーマン3として、日本での存在感を高めてきたアウディだが、いまだメルセデス・ベンツやBMWの背中は見えていない。時代が求める電動化をキーとし、これまでの先進的なイメージを武器に、EVの拡充で成長を加速させたい思惑があるのだろう。そのためe-tronも1000万円切りのエントリーモデルを打ち出した。その一方で、高価だが航続距離と性能で勝るe-tronスポーツバック・ファーストエディションの価値が際立ったようにも思える。高価格帯のEVで、顧客が価格と性能のどちらを重視するのかも興味深いところだ。

ブランドストア「Audi House of Progress Tokyo」外観
ブランドストア「Audi House of Progress Tokyo」外観

(写真提供/アウディジャパン)