創業1823年の京扇子の老舗「宮脇賣扇庵(みやわきばいせんあん)」(京都市)は2021年1月16日、京都本店の隣に扇子を中心としたファッションブランド「BANANA to YELLOW (バナナとイエロう)」をオープンした。使用シーンが限定されがちな扇子をファッションとして捉え、新しい市場を開拓する。
「バナナとイエロう」はリアル店舗のほか公式オンラインショップでも販売し、年間販売目標額は5000万円。メインターゲットは30代後半から40代。
コンセプトは「夏でも冬でも、フォーマルでもカジュアルでも。もっと自由に扇子を持てるように」だ。洋服になじむファッショナブルなデザインの扇子は、他社からも数多く販売されてきた。宮脇賣扇庵でも現代的なデザインの扇子を取りそろえ、ファッションブランドやライフスタイルショップとのコラボレーション商品も少なくない。
バナナとイエロうは、単にデザイン性が高い扇子に特化したブランドではない。扇子は夏のものという固定観念を変えようという試みだ。「暑いからあおぐ」という扇子の機能を生かせる場面は、冬の間はほとんどない。デザイン性が高いだけでは、冬も扇子を持ち歩こうとはしないのではないかと考えた。
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