VR(仮想現実)空間上の展示会「バーチャルマーケット5」が2021年1月10日まで開催中だ。これまでは、VRと相性のいいゲームメーカーなどエンターテインメント会社の出展が目立っていたが、最近は百貨店や自動車メーカーなどの出展も増えてきた。バーチャルマーケットの魅力とは何か、主催するHIKKY(ヒッキー、東京・渋谷)のメディア担当 大河原あゆみ氏に聞いた。
女性の来場者も増え始めた
コロナ禍でリアルな展示会が中止や延期に追い込まれる中、注目されているのがバーチャルイベントだ。特に参加者がアバター(分身)となってVR空間内を歩き回るタイプのものは、参加者同士あるいは出展社と参加者が直接コミュニケーションできるので、リアルイベントの代替として有望とされている。デジタル技術を駆使することで、リアルイベント以上の出展効果の実現を期待する声も大きい。
そんなバーチャルイベントの1つであるバーチャルマーケットは、2018年からヒッキーが開催しているVR空間内の販売イベントだ。VR用のヘッドマウントディスプレー(HMD)で参加するのがベストだが、パソコンだけでも参加可能。会場に展示された3Dアバターや3Dモデルといった3Dアイテムを自由に試着、鑑賞、購入でき、バーチャルイベントとしては「世界最大級のマーケットフェスティバル」(大河原氏)という。20年11月には国際的なVR表彰式「VR Awards」のVRマーケティング部門で最優秀賞を受賞している。
バーチャルマーケットは、年に2回開催されており、20年4月末から5月上旬に開催した第4回に続き、20年12月19日から21年1月10日までの第5回には73社が出展している。企業の出展エリアは大きく「World Beyond DAY」「World Beyond EVENING」「World Beyond NIGHT」の3つに分かれており、それぞれ異なる世界観が表現されている。例えば、World Beyond NIGHTでは夜の街が再現され、遠くに富士山が見える空間となっている。
企業が出展するメリットは、「なんと言っても来場者の数が多いこと」と大河原氏。これによって「世界中の人たちとつながりコミュニケーションができる、世界中の作品に触れ、売買ができる。企業やアーティストにとっては、自身の商品をPRできる場所になり得ている」(大河原氏)。
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