フレグランスとフレーバー業界のリーディングカンパニーであるスイス・ジボダン。同社を中心に立ち上がった食品業界向けのイノベーションプラットフォーム「MISTA」が注目されている。複数の大企業が協働し、スタートアップとの連携を進める画期的な枠組みとは?

ジボダン、ダノン、MARS、Ingredionの⾷品⼤⼿4社が結集。スタートアッ プなどに⾨⼾を開いてる(画像/MISTAホームページ)
ジボダン、ダノン、MARS、Ingredionの⾷品⼤⼿4社が結集。スタートアッ プなどに⾨⼾を開いてる(画像/MISTAホームページ)

 2019年に創設されたMISTAは、大企業とスタートアップをつなげるイノベーションプラットフォームだ。そのビジョンは「グローバルの食のシステムに変革を起こし、将来のニーズを満たすこと」(MISTAの創設者であり、ジボダンのイノベーション担当副社長も務めるScott May氏)。現在の会員数は35社で、6社のコーポレートメンバー、36社のスタートアップ、40社のパートナーがいる。

 特徴的なのは、創設メンバーとしてジボダンの他、ダノン、菓子・ペットフード大手のMARS、でんぷん製品などを扱うIngredionといった大手企業が名を連ねていること。ともすれば競合関係に陥りがちな大手メーカーが、その垣根を越えて共同でイノベーションを生み出そうとしているのだ。これまでの1社単独でCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を立ち上げ、スタートアップとの連携を図ろうとする動きとは一線を画す取り組みといえる。

 では、なぜMISTAは創設されたのか。その背景について、Scott May氏が2020年12月に開催された「Smart Kitchen Summit JAPAN 2020」(主催シグマクシス)に登壇し、こう語った。

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