2020年12月12日、前橋市に「SHIROIYA HOTEL(以下、白井屋ホテル)」がオープンした。300年続いた老舗旅館「白井屋」の名を引き継ぎ、建築家の藤本壮介氏がフルリノベーションを施し、アートホテルとしてよみがえった。全部で25ある客室内すべてに、異なるアーティストの作品が飾られている。

グリーンタワー外観。旧河川敷の「土手」を模している(写真/©Shinya Kigure)
グリーンタワー外観。旧河川敷の「土手」を模している(写真/©Shinya Kigure)

 白井屋旅館は08年に廃業。これを中心市街地活性化の拠点として再生するプロジェクトを率いたのは、オーナーの田中仁氏だ。田中氏はジンズホールディングス代表取締役CEOを務める一方で、故郷である前橋への恩返しの意味を込め、13年ごろから地域創生活動を開始。今回、アート作品を選んだのも田中氏だ。

 ホテルのコンセプトは、「THE PLACE OF ENCOUNTER」。「新しいものと遭遇する場所」という意味だ。アートや食、また地元の人と県外の人とが交じり合う、出会いの場という意味も込められているそうだ。

ヘリテージタワー外観。アーティストのローレンス・ウィナー氏が前橋市をイメージして言葉を選んだ作品が目を引く(写真/©Shinya Kigure)
ヘリテージタワー外観。アーティストのローレンス・ウィナー氏が前橋市をイメージして言葉を選んだ作品が目を引く(写真/©Shinya Kigure)

清掃業者に断られたホテル

 白井屋旅館の建物を大胆にリノベーションしたヘリテージタワー側からエントランスに入ると、フロントでは写真家・美術作家の杉本博司氏の作品が客を迎える。ラウンジからファサード、エレベーター内に至るまで、あらゆる場所にアート作品が並ぶだけでなく、客室もすべて表情が異なる。世界的に著名なアーティストから、前橋にゆかりのある若手作家まで、さまざまな作品が部屋を飾る。

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