1980年代に人気を集めたライブハウス「NISSIN POWER STATION(日清パワーステーション)」が22年ぶりに復活。ニューノーマル時代に合わせ、「音楽特化・配信特化・無観客」をコンセプトにオープンした。2020年11月21日には、こけら落とし3DAYSの初日を担った西川貴教のリハーサルを報道陣に公開した。

「日清食品 POWER STATION[REBOOT]」のこけら落とし、初日の公演を務めた西川貴教
「日清食品 POWER STATION[REBOOT]」のこけら落とし、初日の公演を務めた西川貴教

 「NISSIN POWER STATION」は、1988年3月から10年にわたって営業していたライブハウス。通称「パワステ」と呼ばれ、総公演回数は3000回超、1600組ものアーティストが出演した。筆者を含め、40代以上には思い出深く感じる人も多いだろう。

 パワステが多くの人の心に残るのは、他にない特色をいくつも備えたライブハウスだったからだ。

 まずはその立地。東京・新宿にある現・日清食品ホールディングス東京本社社屋の地下に作られていた。

新宿三丁目駅と東新宿駅のちょうど中間あたり、明治通り沿いにある日清食品ホールディングス東京本社。写真中央がエントランスで、地下にある「日清食品 POWER STATION[REBOOT]」へはその内側手前にあるエレベーターで下って入場する
新宿三丁目駅と東新宿駅のちょうど中間あたり、明治通り沿いにある日清食品ホールディングス東京本社。写真中央がエントランスで、地下にある「日清食品 POWER STATION[REBOOT]」へはその内側手前にあるエレベーターで下って入場する

 構造もユニークだった。地下1~2階の吹き抜けで、地下2階にあるステージとアリーナ部分を見下ろすように、地下1階にテラス席を設置。このテラス部分にはテーブルと椅子を備え、「スペシャルディナーシート(SDS)」として、コース料理などを提供する、世界初の「ロッキンレストラン」を標榜していたのである。

 日清食品という資本の大きな会社が運営するだけあって、ライブハウスとしての作りも豪華だった。オリジナルで開発した音響設備「ハイエナジーシステム」やモニター90台で構成されたコンピューターマトリックスビジョンを導入。サウンドや照明、ビジュアル面にも力の入ったエンターテインメント空間として、個性を放っていたが、98年6月に閉館した。

 それが今回、22年以上の時を経て「日清食品 POWER STATION[REBOOT]」として、再オープンした。新たなパワステは、「音楽特化・配信特化・無観客」をコンセプトにした日本初の配信型ライブハウスとなった。

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