全国小売店の販売データを集計する日経POS情報で、2020年10月の来店客千人当たり販売金額の前年同月比伸び率を調査したところ、食品ジャンルの増加率5位に「玩具入り菓子」が入った。映画が大ヒット中の『鬼滅の刃』コラボ商品が人気を集めた。

 日経POS情報の食品ジャンルにおける20年10月の来店客千人当たり販売金額前年同月比伸び率上位は、1位「スピリッツ豆」(56.4%増)、2位「リキュール」(50.1%増)、3位「乾燥豆」(49.4%増)、4位「ココア・チョコレート飲料」(44.1%増)、そして5位に「玩具入り菓子」(37.4%増)がランクインした。

日経POSデータ 食品カテゴリーにおける前年同月比伸び率ランキング
日経POSデータ 食品カテゴリーにおける前年同月比伸び率ランキング

 玩具入り菓子は、キャラクターが描かれたカードやフィギュアなどが「おまけ」としてガムなどとセットで販売されている食品のこと。だが実際のところ、購入者の目当てはカードやフィギュアにあり、おまけは菓子のほうだ。発売元もタカラトミーアーツやバンダイなど玩具メーカーが主体で、消費税も食品にかかる8%ではなく10%が適用されている。

 玩具入り菓子の来店客千人当たり販売金額前年同月比伸び率ランキングは、20年4月144位、5月28位、6月7位、7月29位、8月13位、9月11位と推移してきた。トップ5入りは過去1年で初めてだ。

20年10月の「玩具入り菓子」来店客千人当たり販売金額トップ10
20年10月の「玩具入り菓子」来店客千人当たり販売金額トップ10

 では10月の玩具入り菓子は何が売れたのか。売れ筋商品トップ10は上図の通り。10月16日に公開された映画の興行収入が24日間で204億円、観客動員数が1537万人と記録的なヒットが続いている『鬼滅の刃』関連商品が4点ランクインしていた。1位はタカラトミーアーツ「鬼滅の刃 ミニ屏風コレクション」(1個350円、税別)。キャラクターがデザインされた和テイストのミニ屏風で、両端を折りたたんで机の上などに飾ることができる。全10種のうち1種は箔(はく)押し(ゴールド)仕様になっていて、コンプリート意欲を高めている。

 2位は玩具メーカーのエンスカイ「鬼滅の刃 デコステッカー2」(1個150円、税別)。9位の同「鬼滅の刃 デコステッカー」の第2弾に当たる。ICカードなどに貼ってデコレーションを楽しめる、繰り返し貼ってはがせるステッカーで、キャラクターや作中のワンシーンがデザインされた全36種類のうち2枚が封入されている。6位の同「鬼滅の刃 ロングステッカーガム」(1個200円、税別)は52×156mmの縦長ステッカーで、全32種類のうち3枚が入っている。

「ダイドーブレンドコーヒー」の来店客千人当たり販売金額の推移
「ダイドーブレンドコーヒー」の来店客千人当たり販売金額の推移

 玩具入り菓子以外でも、鬼滅コラボ商品は爆発的な売れ行きを見せた。上記のグラフは、ダイドードリンコの缶コーヒー「ダイドーブレンドコーヒー」の来店客千人当たり販売金額の推移。過去2年、10~15円の幅で推移してきたが、20年10月は97.9円に跳ね上がった。

20年10月5日から発売したダイドーブレンドコーヒー『鬼滅の刃』デザインパッケージ (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
20年10月5日から発売したダイドーブレンドコーヒー『鬼滅の刃』デザインパッケージ (C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 同社は10月5日から、ダイドーブレンドコーヒー発売45周年企画として『鬼滅の刃』×「ダイドーブレンド」コラボ商品を展開。 ダイドーブレンドコーヒーオリジナルに加え、新たに同ブランドから「絶品微糖」と「絶品カフェオレ」を投入し、3品で計28種類の“鬼滅デザイン”パッケージを販売した。価格はいずれも税別115円。絶品微糖と絶品カフェオレには、主人公・竈門炭治郎のパッケージの裏面にオリジナル描き起こしイラストをパッケージにあしらったこともあって品切れが相次いだ。

 SNSでは、入手した喜びの声やまだ売っている店舗の情報、缶コーヒーを箱買いした写真などが飛び交い、それがさらに購入意欲を高める盛り上がりを見せた。また、手持ちのキャラクターを提示しながら欲しいキャラクターとの交換を希望するツイートも多数飛び交っている。一方、メルカリでは、これらコラボ商品を“大人買い”した人の出品が続いている。

 社会現象となっている“鬼滅”旋風が、食品ジャンルでも今しばらく吹き荒れそうだ。


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