言語対応、IP許諾には順次対応

 今後の課題の1つは、言語を中心とした多様性への対応だろう。Twitchでは日本人ストリーマーも多く活動しており、フォロワーの数も多い。例えば、プロゲーミングチーム「DeToNator」に所属するプロゲーマーのSHAKAは約34万人、加藤純一は約18万人、プロゲーマーのももちとチョコブランカが配信するmomochocoが約7万3000人を数えている。ただ、世界各国のトップストリーマーと比べると見劣りするのも事実だ。例えば、先に挙げたNinjaのフォロワーは約1606万人、shroudのフォロワーは約838万人となっている。

Twitchで人気のストリーマー、clutch_fi氏の配信の様子
Twitchで人気のストリーマー、clutch_fi氏の配信の様子

 その理由の1つが言語だ。英語圏は人口が多いため、英語で配信するストリーマーと日本語を含む他言語を使うストリーマーとの差はどうしても開いてしまう。これについては、同時通訳やローカライズされたミラーリングなど、今後、改善できる課題として考えているという。

 もう1つの課題が、ゲームのIP(知的財産)ホルダーによる許諾の問題だ。ソニー・インタラクティブエンタテインメントのPlayStationがゲーム画面やプレー動画をシェアする機能を標準で搭載したり、任天堂が同社タイトルの動画配信に関するガイドラインを制定したりしたことで、ゲーム配信ができる土壌自体は出来上がりつつある。ただし、現在はさらに次の段階に移る過渡期だ。動画配信プラットフォームごとにIPホルダーと包括的な契約をし、配信を行う動きも出てきた。その過程で、いくつかのIPホルダーから配信禁止を言い渡された新興プラットフォームもある。

 「Twitchはゲーム配信がルーツ。そのため、これまでからゲームメーカーなどIPホルダーと密に付き合い、様々な話をしてきました。これからもイベントを開催するなどしてメーカーと深く関わりながら、話し合っていきたいと考えています」(コール氏)

 最後に、Twitchのアジア太平洋地域を担当する立場から同地域の今後の展開についても聞いた。

 「ゲーム市場はアジアで急速に成長しており、アジア太平洋地域においてゲーマー人口はその約63%といわれています。Twitchとして重要性が高い地域です。同時にゲーム以外のコンテンツ配信の場としても広まっていけば、ストリーマーやクリエイターと一緒にTwitchも成長できるのではないでしょうか。アジア太平洋地域の中でも日本の市場は大きく、重視しています」(コール氏)

 PlayStation 4ではプレー動画の配信プラットフォームとしてTwitchがデフォルトで選択できる設定になっていたこともあり、日本での知名度は大きくアップした。20年11月12日に発売されたPlayStation 5によって、動画配信プラットフォームの動向が変わってくる可能性もある。競争激しい動画配信プラットフォームの今後の動きに注目したい。

(写真提供/Twitch)