肌っていろんな層が重なっていて、まるでパフェみたい――。資生堂はパフェに見立て、肌の構造や状態を解説する肌診断サイト「肌パフェ SKIN CHECK」を2020年10月1日から公開している。診断を楽しみ、SNSなどでシェアしてもらうことで、美容食品ブランド「ザ・コラーゲン」の販促につなげたい考えだ。

肌パフェは、真皮・表皮・角層における弾力、厚み、透明度、潤いなどの要素をスイーツで表現する。写真中央はベストな状態、左はやや良くない状態、右はあまり良くない状態を表す
肌パフェは、真皮・表皮・角層における弾力、厚み、透明度、潤いなどの要素をスイーツで表現する。写真中央はベストな状態、左はやや良くない状態、右はあまり良くない状態を表す

肌の表現はパフェに通じるものがある

 肌パフェでは、肌や生活習慣に関する10の質問にユーザーが答えると、現在の肌の状態を分析し、その結果をかわいいパフェに見立てて表現する。皮膚科学を専門に研究する、資生堂グローバルイノベーションセンター監修の下、食の専門家であるパティシエが、肌の構造や質感のイメージをスイーツで表現した新しい試みだ。

 なぜ、肌診断の結果をパフェで表現したのか。資生堂ジャパンライフスタイル事業本部スキンケアマーケティング部「ザ・コラーゲン」ブランド担当の荒木由紀氏は、「あくまでもイメージ」と強調した。肌は薄い組織だが、真皮、表皮、角層といった複数の層でできており、それぞれが異なる役割を果たしている。「この構造と、各層における弾力や厚み、透明度、潤いといった要素を、誰もが見たことがあるパフェの形状と質感で表し、楽しく理解してもらいたい。肌の構造を知るだけでなく、生活習慣や内側からのケアの大切さも伝えたいと考えている」と肌パフェの意図を説明する。

真皮、表皮、角層と重なる肌の構造を肌パフェで視覚的に表現した
真皮、表皮、角層と重なる肌の構造を肌パフェで視覚的に表現した

 本企画に参加したパティシエの國分真氏は「しっとり、ぷるぷる、つやつやといった肌の表現は、スイーツに通じるものがある」と言う。試行錯誤の末、真皮、表皮、角層をそれぞれ複数考案し、3層の組み合わせは全部で75通りになった。

 各層が最も理想的な状態を示す肌パフェでは、「真皮」にフレッシュなさくらんぼをぎっしり敷き詰めて、みずみずしく弾力や厚みがある様子を表現。「表皮」は透き通るように華やかなフラワーゼリーを使って、明るさと透明感を出した。「角層」は、フレッシュベリーやきらきらしたあめ細工でつややかなイメージに仕上げている。

最も理想的な肌の状態を表現した肌パフェ
最も理想的な肌の状態を表現した肌パフェ

インナーケアへの気づきを促す

 先に荒木氏が「生活習慣や内側からのケアの大切さも伝えたい」と述べたように、肌パフェの診断要素となる質問には肌の状態に加え、食生活や生活習慣を問う質問が含まれている。利用者が答える質問は以下の10項目だ。

(1)バランスの良い食事はとれているか
(2)紫外線対策はどのぐらいしているか
(3)枕やマスクの跡は残りやすいか
(4)甘いものはよく食べるか
(5)年齢
(6)色むらやシミ、ソバカスが気になるか
(7)肌荒れが気になるか
(8)手のひらで頬に触れた感触
(9)肌に透明感があるか
(10)ファンデーションのノリは良いか

 資生堂ではコラーゲン研究を35年以上続けてきた。その結果、肌に触れた感覚や生活習慣についての回答を分析することで、現在の肌がどのような状態であるかを推測できるという。肌パフェはそのノウハウを生かしたコンテンツだ。資生堂は「科学的な説明だけでは理解しにくい肌構造について、直感的に楽しく理解できるコンテンツになった」と自信を見せる。

 これによって期待するのは、質問に答える過程での気づきだ。「答えていく過程で、肌にとって良いこと、あまりよくないことがおのずと分かる。加えて肌パフェの完成後、ハリのある美しい肌を育むためのアドバイスも掲載することで、インナーケアを理解するきっかけにしてもらいたい」(荒木氏)。

 実際、肌パフェをやってみた。試しに「肌にとって良い」と思われる答えばかりを選び、年齢も選択肢で最も若い「19歳以下」を選んでみると、前出の「理想的な状態の肌パフェ」が出来上がった。

 逆に若さから最も遠い「60歳以上」で、「肌に良くない」と思われる答えばかりを選ぶと、出来上がったのは下写真のような肌パフェ。全体に茶系の渋みがある色使いで、ごつごつして厚みも不十分。「真皮はごろごろのナッツで、ざくざくした食感。表皮はほろ苦いカカオニブ使用。角層はぱりぱりと繊細な食感」との説明があった。

肌があまり良い状態ではないことを表す肌パフェ
肌があまり良い状態ではないことを表す肌パフェ

 試しに回答の一部を変えてみると、パフェは明るい印象に変わった。例えば紫外線対策の1つでも心がければ肌状態は改善する。パフェの色や形状、質感、味わいから肌と生活習慣の関係が感覚的に理解できる仕掛けになっている。Twitterなどにも「おいしそうなパフェができた」「肌荒れがばれる」「もうちょっとバランスのいいパフェがいい」など、自分の肌の状態を感覚的に理解しているユーザーのコメントが投稿されている。

これらが一般的に多い肌パフェの例
これらが一般的に多い肌パフェの例

美容食品「ザ・コラーゲン」の販促に導く

 資生堂が今回、肌パフェを開発した裏には、若い世代に向け、同社が展開する美容食品「ザ・コラーゲン」のニーズを訴求したいという思いもある。肌パフェによる診断終了後に表示されるウェブページでは、「美しい肌の鍵はコラーゲン」とうたい、コラーゲンとは何か、どういう要因で減少するのか、活性化するのはどのような成分かなどを解説すると共に、「資生堂コラーゲンLABO」へのリンクに誘導している。

 「ザ・コラーゲンは肌の活性化の元となる細胞をケアする機能を備えている。内側からのケアも大事であることを知ってもらい、当社商品の愛用者になってほしい」(荒木氏)

 今や美容ニーズは、見た目の美しさだけに止まらない。メークを落とした後の素顔になっても内面からあふれる輝きや美しさを求め、心身の健康美を意識する女性が増えている。資生堂のザ・コラーゲンも、体の中から美を作るインナーケアに着目し、「コラーゲンを飲むという美容法」をアピールする製品だ。

 ただ、そうした製品は若い世代にアピールしにくい。若い女性に人気の診断機能や見た目にかわいいパフェを使ったコンテンツを活用することで、潜在的な気づきをもたらし、未来の市場を開いていきたい考えだ。

(写真提供/資生堂)