筋肉に電気刺激を与えるトレーニング機器「SIXPAD(シックスパッド)」を販売するMTGは2020年10月20日、自宅でレッスンが受けられるオンラインジムサービス「SIXPAD HOME GYM(シックスパッド・ホーム・ジム)」の提供を開始。これに合わせて東京・原宿にライブスタジオもオープンし、月6回まで設備を利用できるプランも用意した。
自宅でフィットネス、専用トレーニング機器も販売
MTGの「SIXPAD」は、EMS(Electrical Muscle Stimulation、エレクトリカル・マッスル・スティミュレーション)の電気刺激が筋肉を動かすことで「運動しなくても筋肉を強化できる」トレーニング機器。2015年の発売以来、累計250万台以上が売れた人気商品だ。
SIXPADの好調を受け、MTGは18年にフィットネスジム「SIXPAD STATION(シックスパッド・ステーション)」を東京・赤坂などにオープン。こちらではSIXPADを装着して運動することで運動効果を高めるハイブリッドトレーニングを提唱してきた。
新たに始めたSIXPAD HOME GYMは、このハイブリッドトレーニングを自宅でできるようにしたもの。「SIXPAD Powersuit(シックスパッド・パワースーツ)」と呼ばれる専用のEMSトレーニングスーツを着用し、ライブ配信またはアーカイブ動画を専用アプリで視聴しながらトレーニングする。トレーニングスーツに仕込まれた布製電極「Eledyne(エレダイン)」が全身7部位14カ所の筋肉を刺激するため、10分程度のトレーニングでも十分な運動効果が得られるという。
布製電極のEMS周波数は筋肉の増強に有効な20Hzとカロリー消費に有効な4Hzに対応しており、専用アプリをインストールした端末とBluetoothで接続すると、トレーニング内容に合わせて自動的に周波数が切り替わる。MTGの松下剛社長によれば「布製電極は従来のSIXPADシリーズと異なり、高伝導ジェルシートなしで利用できる。付属の洗濯ネットに入れれば、トレーニングスーツを洗濯機で洗うことも可能」とのことだ。
SIXPAD HOME GYMの利用プランは2種類あり、ライブ配信もしくはアーカイブ動画を視聴しながらトレーニングする「スタンダードプラン」が月額4180円(税込み、以下同)。それに加えて原宿のライブスタジオの設備を月6回まで利用できる「スタジオプラン」が月額1万3200円となっている。
サービス利用の前提となっているSIXPAD Powersuitの価格は、上下セットで11万8800円。また「BIKE WAVE(バイク・ウエーブ)」と呼ばれるトレーニングを行う場合は専用バイクも必要になるが、こちらはスタンダードモデルの「SIXPAD The Bike(シックスパッド・ザ・バイク)」が13万2000円、ハイエンドモデルの「SIXPAD The Bike EX」が49万5000円だ。
トレーニング機器の価格には驚かされるが、松下氏は「フィットネスジムの会費の平均は総合型ジムで月額9500円。トレーニングスーツの代金を60回払い(月額1900円)にすれば、スタンダードプランと合わせても月額6080円に収まる」と説明した。
厳選されたインストラクター、スペシャルゲストも登場予定
SIXPAD HOME GYMの特徴はインストラクターとの双方向コミュニケーションだ。ライブ配信の視聴時にはインストラクターから個別に声をかけられることもあるという。ライブ配信に登場するのは、200人弱が在籍するMTGインストラクターの人気ランキング上位15人。レッスン終了後にはユーザーアンケートがあり、その評価によってランキングが入れ替わる。
また、ライブ配信にはSIXPADのブランドパートナーをはじめとするスペシャルゲストも登場予定とのこと。ちなみにブランドパートナーにはユヴェントスFCのクリスティアーノ・ロナウド、プロボクサーの井上尚弥、モデル・女優の菜々緒、オランピック・ドゥ・マルセイユの長友佑都、浦和レッズの槙野智章、陸上競技の桐生祥秀がいる。
フィットネスジムが飲食店やクラブハウスなどと並んで“新型コロナウイルスに感染するリスクの高い場所”と指摘されたこともあり、自宅でできるフィットネスサービスが注目されている。MTGとしてはその流れに乗りたいところだろう。トレーニング機器の価格は気にかかるところだが、米国では12年に創業したPeloton(ペロトン)が同様のビジネスモデルで260万人を超える会員を獲得している。MTGの場合も、そのトレーニング効果が認知されればブレークする可能性はありそうだ。
(写真提供/MTG)