新興家電メーカーのバルミューダ(東京都武蔵野市)が2020年10月15日、同社初のサイクロン式コードレススティック掃除機「BALMUDA The Cleaner」を発表した。ほうきのようなデザインが特徴で、発売は11月17日、実勢価格は5万4000円(税別)。新分野参入の狙いとは。
掃除機カテゴリー参入の第1弾
BALMUDA The Cleaner(以下、The Cleaner)はヘッドの前後に配置した2つのブラシローラーから吸引する「デュアルブラシヘッド」と、ヘッドを360度自在に動かせる「360°スワイプ構造」を組み合わせた独自の「ホバーテクノロジー」を採用している。デュアルブラシヘッドの回転が床面との摩擦抵抗を減らし、ヘッドの左右に配置したキャスターによって前後左右、斜めなど、自由自在に動かせるようになっている。
本体がフロア近くにある下重心型を採用しているが、ヘッドを取り外してハンドルや隙間用ノズルを装着することで、ハンディー掃除機としても使えるようになっている。充電台に置くだけで充電できるスタイルで、約4時間の充電で標準モードなら約30分、強モードなら約10分の連続運転が可能だ。
バルミューダは2010年にDCモーターを搭載する扇風機の先駆けとなる「GreenFan」を発売して大ヒットを飛ばし、注目を集めた新興家電メーカーだ。その後サーキュレーターや空気清浄機、オイルレスヒーター、加湿器などと空調カテゴリーのラインアップを広げてきた。15年には「BALMUDA The Toaster(以下、The Toaster)」でキッチンカテゴリーに参入し、その後は電気ケトル、蒸気式炊飯器、オーブンレンジなどをラインアップし、そのブランド力とミニマルなデザインで人気となっている。
そんなバルミューダが今回掃除機を発売する狙いについて、同社の寺尾玄社長は「空調家電、キッチン家電に続く次の商品ジャンルを確立しようと、18年末に決めて開発してきた」と語る。
「10年にGreenFan、15年にThe Toasterと、新しいジャンルを開いてきた。そろそろ次の商品ジャンルを切り開こうと考えていたところ、社内から『掃除機を作ってくれ』という声が上がった。できれば21年までに2製品を出し、その次の年には5つまでラインアップを広げたい。それによってバルミューダの存在感、我々ならではの価値観を提案できればと思っている」(寺尾社長)
The Cleanerはヘッドから自在に動かせる「ユニバーサルジョイント」を経由して円筒形の本体、さらにはスティック状のハンドルにつながるとてもシンプルなデザインだ。「立てかけられた、一本のほうきのように。」というキャッチコピーが付けられているが、印象としてはモップに近いように思える。バルミューダのデザインはどの製品も無駄を徹底的に省いたミニマルが売りだが、その方向性はThe Cleanerでも変わらない。
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