企業が限られたエリア内で5Gのネットワークを構築できる「ローカル5G」が、産業用途を中心に関心が高まっている。2020年10月20日から23日までオンラインで開催されている「CEATEC 2020 ONLINE」では、ローカル5G関連のデバイスやサービスの出展が多く見られた。なぜローカル5Gに注力する企業が増えているのか。
産業用途で注目のローカル5G、その課題とは
2020年に国内でもサービスを開始した「5G」。現状はまだエリアが非常に狭く、対応端末も高額のものが多く盛り上がりに欠ける状況が続いている。しかし、日本で人気のiPhone新機種「iPhone 12」シリーズが全機種5Gに対応したこともあって、今後急速に普及が進む可能性が高い(関連記事:アップル「iPhone 12」発表 低迷する日本の5Gの突破口になるか)。
実はもう1つ、非常に大きな盛り上がりを見せている5Gがある。それが「ローカル5G」だ。これは携帯電話会社以外の企業でも自由に構築できる、場所を限定した5Gのネットワークのこと。総務省はローカル5G専用の電波を割り当てていることから、その免許を申請して機器を用意すれば、誰でも5Gのネットワークを構築できる。
5Gの強みは「高速大容量通信」「低遅延」「多数同時接続」。ローカル5Gは、これらの特徴を活用してデジタルトランスフォーメーション(DX)を推し進めたい企業や自治体が主なターゲットで、消費者にはなじみが薄い。だが「CEATEC 2020 ONLINE」では、そのローカル5Gに関連する展示が多く、関心の高まりを実感できた。
ローカル5Gのメリットは、Wi-Fiよりも広範囲を無線でカバーしやすいため、広い敷地の工場や、港湾、農場など屋外での利用に適していること。また携帯電話会社とは独立したネットワークなので、外部に情報が漏洩しにくく高いセキュリティーを維持できる点などが挙げられる。
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