本格的な料理が手軽に楽しめる無印良品「手作りキット」が、コロナ禍の影響もあって前年比2倍を売り上げるヒット商品に。鍵は完成までにちょっと手間がかかる点。簡単すぎてもヒットにはつながらない。今後の消費を読み解く「プチ手間」について分析した。

無印良品の「手づくりカレーキット」。左が「ほうれん草のカレー」で右が「グリーン」。2~3人前で価格はともに450円(税込み)
無印良品の「手づくりカレーキット」。左が「ほうれん草のカレー」で右が「グリーン」。2~3人前で価格はともに450円(税込み)

「発酵ぬかどこ」に続くヒット商品

 新型コロナウイルスの影響を強く受ける現在の消費。そうした中でもヒット商品を生み出しているのが良品計画の「無印良品」だ。毎日かき混ぜなくていい「発酵ぬかどこ」が前年比で2倍以上のヒットに(関連記事:無印良品で「ぬか床」が大ヒット コロナ後の消費者トレンド表す)。実はそれ以外にも対前年で売り上げを2倍に伸ばしている商品がある。「手作りキット」シリーズだ。

 手作りキットとは、スパイスやペーストが入っており、具材を用意するだけで自宅でも本格的な味が楽しめる商品。ラインアップはグリーンカレーやバターチキンカレーなどの本格カレーの他、ガパオやパッタイをはじめとするタイ料理、ナンが手づくりできるキットもある。

 発酵ぬかどこのヒットは2018年3月の発売から3カ月後、Instagramへの投稿がきっかけで、新型コロナウイルスの感染拡大や「おうち時間」の増加などはあまり関係ないとのことだった。しかし、良品計画調味加工担当マネージャーの鈴木美智子氏によると、手作りキットは外出自粛の影響が表れているという。

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