作業服大手のワークマンが2020年10月1日、東京の渋谷ヒカリエで「過酷ファッションショー」を実施した。雨風や雪が容赦なく降りしきる過酷な環境を再現したファッションショーで、荒天にも耐え得る機能性の高さをアピールする試みだ。19年に続き2度目。前年比で「過酷さ2倍」の演出に挑んだワークマンは、何を伝えたのか。

過酷な環境を再現したワークマンのファッションショー。前年にも増して強い雨がランウェイに降り注いだ
過酷な環境を再現したワークマンのファッションショー。前年にも増して強い雨がランウェイに降り注いだ

 「ご来場の皆さま、覚悟はよろしいでしょうか」

 司会のアナウンスに続き、ライブ会場を思わせる閃光(せんこう)が辺りを包んだ。軽やかな音楽が静寂を破り、ダンサーたちがランウェイ上で激しく踊る。「過酷ファッションショー2020」が幕を開けた。

 雨量も風量も雪の量も前年比で2倍にパワーアップしたという今回のファッションショーは、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて入場者数を制限し、昼と夕方の2回に分けて実施。2回ともライブ配信した。

 ワークマンの新作に身を包んだモデルたちが、ボルダリングに挑んだり、ロードバイクにまたがったりして派手に登場。テレビ番組「SASUKE」をイメージしたという障害物を軽快なステップで乗り越え、“悪天候”の中へと果敢に歩みを進めた。

ボルダリングに挑む女性モデル
ボルダリングに挑む女性モデル

「アンバサダーマーケティング」を大々的に発信

 今回の主役はアンバサダーである。ワークマンは19年、「アンバサダーマーケティング」を始動した。ワークマンの商品を愛してやまないブロガーやユーチューバー、インスタグラマーらを「製品開発アンバサダー」に任命し、アンバサダーの意見をほぼ丸のみする形で商品開発に取り入れている。20年秋冬はアンバサダーと共同開発した新作が、目玉商品として売り場に次々と並ぶ予定だ。

 この日はモデルたちに加え、ワークマン公認のアンバサダー3人も登壇し、一足早く新作に込めた思いを語った。猟師ユーチューバーとして活動するNozomiさんは、軽量で暖かく大容量ポケットが付いた「AERO STRETCH(エアロストレッチ)ブルゾン」(税込み2900円)と防水仕様の「MIXING(ミキシング)レインパーカー」(同3900円)を開発。組み合わせれば「ワークマン史上最強の防水防寒ウエア」になるという。

 ママキャンプブロガーのサリーさんは、たき火の火の粉が燃え広がらない綿100%の「コットンキャンパーPlus」(同3900円)を、ソロキャンプユーチューバーのねこまるさんは、はっ水加工を施した「裏ボアLIGHTスリッポン(オリーブ色)」(同1900円)をそれぞれ提案した。

会場ではアンバサダーと共同開発した新作が、目玉商品としてお披露目された
会場ではアンバサダーと共同開発した新作が、目玉商品としてお披露目された
ワークマンの土屋哲雄専務(右から3人目)とワークマン公認アンバサダーのねこまるさん(左から2人目)、Nozomiさん(左から3人目)、サリーさん(右から2人目)
ワークマンの土屋哲雄専務(右から3人目)とワークマン公認アンバサダーのねこまるさん(左から2人目)、Nozomiさん(左から3人目)、サリーさん(右から2人目)

 ワークマンは今回のファッションショーにどんな思いを込めたのか。仕掛け人である土屋哲雄専務は「デザインをお見せしたかった」と口にした。