ごみをゼロにする「ゼロ・ウェイスト宣言」を自治体として日本で初めて行った徳島県上勝町に2020年5月30日、ホテル併設型ごみ分別施設が開業した。トランジットジェネラルオフィス(東京・港)がプロデュースした話題の施設で、県内外からの視察に加え7月には前消費者行政担当相の衛藤晟一氏も訪れるなど注目を浴びている。実際に宿泊し、その徹底ぶりを取材した。

「ゼロ・ウェイストアクションホテル HOTEL WHY」はメゾネットタイプの客室が4室。建物の中央部には徳島名産の青石を敷き詰めた円形の中庭があり、雨が降ればカーテンのように見える設計になっている
「ゼロ・ウェイストアクションホテル HOTEL WHY」はメゾネットタイプの客室が4室。建物の中央部には徳島名産の青石を敷き詰めた円形の中庭があり、雨が降ればカーテンのように見える設計になっている

町民が持ち寄った古い建具を再利用

 徳島市内から車で約40分。いくつかのトンネルを抜け、曲がりくねった山道を走るとダム湖を望む山の茶屋が見えてくる。そこからすぐ近くの急斜面の上に建つのが「上勝町ゼロ・ウェイストセンター(WHY・ワイ)」だ。上空から見ると「?」の形をしたユニークなデザインの建物が、現在、国内外から注目される上勝町を象徴するごみゼロ活動の拠点である。

 20年5月30日の開業以降、地方創生やエシカル消費に携わる行政担当者や民間企業の視察が増えたという。徳島県に消費者政策の研究や国際業務などの拠点となる「消費者庁 新未来創造戦略本部」が開設されたこともあり、7月30日には消費者庁の前内閣府特命担当大臣の衛藤氏が同施設を訪問。ますます関心が高まっている。

町に開かれた公共施設としての役割を担うため、すべてがオープンで目に見える形になっている「上勝町ゼロ・ウェイストセンター(WHY・ワイ)」。施設自体がリサイクルの過程を時系列で可視化できる配置に
町に開かれた公共施設としての役割を担うため、すべてがオープンで目に見える形になっている「上勝町ゼロ・ウェイストセンター(WHY・ワイ)」。施設自体がリサイクルの過程を時系列で可視化できる配置に

 施設に入ると、左手に町内唯一のごみ収集・分別所「ゴミステーション」がある。上勝町ではこれまでごみ収集車が走ったことがなく、町民たちが自ら車でごみを捨てにくる。そのため、すべての分別が一望できるよう馬蹄(ばてい)型の形状に作られているという。