旭化成ホームプロダクツ(東京・千代田)は、使用済みのファスナー付きプラスチックバッグ「Ziploc(ジップロック)」を回収し、別のプラスチック製品に作り替える活動「Ziploc RECYCLE PROGRAM」を開始。2020年9月中旬に同社を含む4社が連携し、回収したジップロックでビニール傘を作ってシェアリングするサービスをスタートさせた。

「Ziploc RECYCLE PROGRAM」は循環型社会の実現に向けて、廃プラスチック問題解決に貢献することを目指している。「ジップロック」の回収は、2020年7月29日から開始した
「Ziploc RECYCLE PROGRAM」は循環型社会の実現に向けて、廃プラスチック問題解決に貢献することを目指している。「ジップロック」の回収は、2020年7月29日から開始した

 「ジップロック」を販売する旭化成ホームプロダクツの他、米ベンチャーの日本法人、テラサイクルジャパン合同会社(横浜市)がウェブサイトで回収を行い、セレクトショップのビームス(東京・渋谷)がリサイクルして作る傘のデザインを監修。サービスは、ネイチャー・イノベーション・グループ(東京・渋谷)が展開する「アイカサ」で行う。

 回収プログラムへの参加は個人でもでき、テラサイクルのウェブサイトで参加登録する(無料)。使用済みのジップロックは2キログラム以上から回収可能で、バッグタイプのほか、コンテナータイプのジップロックも対象だ。

 活動の狙いについて、旭化成消費財マーケティング室の坂元善洋室長は「リサイクルした傘を楽しみながら使ってもらうことで、循環型社会について考えるきっかけになればいいと思っている。CSR(企業の社会的責任)のような位置付けで、利益は考えていない」と話す。

 ビニール傘1本の生地は、約16枚のジップロックに相当。まず1000本を製造し、西武鉄道の池袋駅から飯能駅までの26駅にアイカサの傘立てを設置する。傘の利用料は、アイカサの通常プランと同様で24時間70円(税込み、以下同)、1カ月使い放題で280円。ユーザーはアプリでどこに傘があるか確認でき、QRコードを傘立てにかざせば借りられるシステムだ。

ビームスとは3回目のコラボ

「アイカサ」の無人スポットは、企業や大学など、現在700カ所あり、借りた場所でなくても返却可能だ。傘の持ち手に付けたICチップで情報を管理しており、返却率はほぼ100%だという
「アイカサ」の無人スポットは、企業や大学など、現在700カ所あり、借りた場所でなくても返却可能だ。傘の持ち手に付けたICチップで情報を管理しており、返却率はほぼ100%だという

 デザインを担当したビームスとジップロックとのコラボレーションは、今回で3回目。ビームスの売れ残り品などを基に一点物のアイテムに仕立て直して販売するブランド「ビームスクチュール」が、これまでもジップロックでファッションアイテムを開発し、発売後はすぐに売り切れるほどの人気だった。今回も、ジップロックのブランドを象徴するアイコニックなロゴと水色とピンクのラインをあしらい、誰もが使えるデザインの傘を目指した。なお、今回の傘はシェア専用で、販売の予定はないという。

ジップロックの日付を書くスペースに、デザインを担当した「ビームスクチュール」というブランド名を入れた
ジップロックの日付を書くスペースに、デザインを担当した「ビームスクチュール」というブランド名を入れた

(写真提供/旭化成ホームプロダクツ)

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