生活雑貨などを製造・販売する中川政七商店(奈良市)が新しい業態展開を進めている。2020年8月、JR東京駅構内の「グランスタ東京」にアパレル特化店舗「中川政七商店 分店 服」と、大阪国際空港の新商業エリアに旅がテーマの「中川政七商店 分店 旅」を相次ぎオープン。今後、さまざまな「分店」シリーズを拡大していく方針だ。

「中川政七商店の麻」と題して1月から12 月のそれぞれの月に合わせて開発した麻素材の服の例。左は綿麻コーデュロイジャケットで2万5300円(税込み、以下同)、右は麻ウールのニットベストで1万9800円 (10月発売)
「中川政七商店の麻」と題して1月から12 月のそれぞれの月に合わせて開発した麻素材の服の例。左は綿麻コーデュロイジャケットで2万5300円(税込み、以下同)、右は麻ウールのニットベストで1万9800円 (10月発売)

 「中川政七商店 分店 服」の店内に並ぶ商品はオープン当初、奈良に伝わる麻織物の「かや織」による服や服飾小物など約750点。麻は吸水性と放出性のどちらにも優れ、衣服の素材に採用すると夏は涼しく、冬は暖かい。

 同社では、一年中使える麻素材をテーマに月ごとに異なる種類の生地を使用した服を開発してきた。例えば春は厚手麻のワンピース、夏はかや織の羽織、秋は綿麻ジャケット、冬は麻ニットなど、四季に合わせて麻の魅力を訴求するようにしている。

 エキナカという限られた空間ながら、正面から見て斜めに空間を仕切ることで、コンパクトな空間に動きが生まれた。デザイン会社の14sd(フォーティーンストーンズデザイン、東京・世田谷)の林洋介氏が店舗デザインを担当。奥行きや広がりが感じられ、麻の持つ香りや力強さを引き立てるデザインを目指した。

店舗看板にロゴを配置し、原点回帰しながら「新業態」としての新しいスタートを切っている
店舗看板にロゴを配置し、原点回帰しながら「新業態」としての新しいスタートを切っている
店舗外観を正面から見たところ。店舗面積は49.8平方メートル
店舗外観を正面から見たところ。店舗面積は49.8平方メートル
空間を斜めに仕切ることで動きが生まれ、コンパクトな空間に奥行きや広がりを感じる。デザインスタジオの14sdの林洋介氏が店舗デザインを担当した
空間を斜めに仕切ることで動きが生まれ、コンパクトな空間に奥行きや広がりを感じる。デザインスタジオの14sdの林洋介氏が店舗デザインを担当した

素材に対するこだわりに注目集まる

 東京・渋谷にある旗艦店「中川政七商店 渋谷店」でも服のラインアップはすべてそろえているが、分店 服ではエキナカの立地を生かし、周辺に職場があるビジネスパーソンや旅行客などの新たな客層の来店を期待。服は女性向けが多いが、ユニセックスで使えるバッグやくつ下も置いて男性客の来店も歓迎している。旅行中に使える消耗品や手土産となるような雑貨も用意した。

 オープニング企画展「中川政七商店の麻」では1~8月の全ラインをそろえ、大好評だった。開店初日は、全店舗の中で渋谷店に続き、2番目に高い売り上げを達成。メイン商品のトップスとボトムスに売り上げを絞った場合は、全60店舗の中でも分店 服が売り上げ1位となった日が続いたという。

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