世代の変化には多ブランド展開で対応

――その後、アーケードゲームから家庭用ゲーム、携帯ゲーム、スマホアプリゲームと展開していくにつれ、「アイマス」シリーズは複数のブランドに分化していきます。現在は『アイドルマスター』、『アイドルマスター シンデレラガールズ』(デレマス)、『アイドルマスター ミリオンライブ!』(ミリオン)、『アイドルマスターシャイニーカラーズ』(シャニマス)、『アイドルマスターSideM』の5つのブランドがありますね。「アイマス」になじみのない人には分かりにくく、ファンが分散することにもつながりかねないと思いますが、複数ブランド展開にしたのはなぜでしょうか。

坂上氏 ゲームとしての「アイマス」シリーズは、24歳くらいをピークに前後5年、10年と遊んでいただいています。ただ、やはり年月がたつにつれてアイドル像が少しずつ変わるんですよ。「モラル感が変わる」などと表現するんですが、身近な感じの女の子が好まれる時期もあれば、派手な子、ボーイッシュな子などが好まれる時期もある。

「アイドルマスター」シリーズとして現在展開している5つのブランド
「アイドルマスター」シリーズとして現在展開している5つのブランド

 例えば18年4月にリリースした『シャニマス』には櫻木真乃というキャラクターがいます。ゲームの中で中心になる、いわゆる「センター」的存在ですが、従来のキャラクターとは少しタイプが違う。従来は明るくて前向きで、いつも先頭を切って動いていくタイプが多かったのですが、真乃はおとなしくておっとりしています。そういう子がセンター的存在になるのは時代を象徴している感じがするんです。

『アイドルマスターシャイニーカラーズ』の櫻木真乃はおっとりとした性格
『アイドルマスターシャイニーカラーズ』の櫻木真乃はおっとりとした性格

 ユーザーがアイドルに求めるものは普遍的には変わりませんが、そうした細かい感覚が3~4年単位で変化する。先に言ったようにピークは24歳ですが、そこに向けて1段若い世代を狙いたいというときは、その世代の人たちに好まれるアイドル像や世界観を提示するために、あえてブランドを分けてきたんです。とはいえ、ユーザーが分断されているわけではなく、複数ブランドを楽しんでいる人も多いです。新しいブランドを出すと既存のブランドも盛り上がったりするのが面白いところです。

――同じブランドのままバージョンアップすることもできますが、当然それまでの世界観やキャラクターを愛し、応援している人たちもいます。その出来上がった世界観はいじらず、部分的にリンクした別のブランドを作ることで世代の違いに対応してきたんですね。