NTTグループでeスポーツ関連事業を手掛けるNTTe-Sports(東京・新宿)は、東京・秋葉原に、最先端のICTや機材を備えたeスポーツ交流施設「eXeField Akiba(エグゼフィールド アキバ)」を開設した。eスポーツを含む各種イベントの配信拠点として、配信機材を体験するショールームとして活用する。

秋葉原UDXの4階、「LIFORK AKIHABARA」内にあるeスポーツ交流施設「eXeField Akiba」
秋葉原UDXの4階、「LIFORK AKIHABARA」内にあるeスポーツ交流施設「eXeField Akiba」

 eXeField AkibaがあるのはJR秋葉原駅前のビル「秋葉原UDX」の4階。シェアオフィス/レンタルスペースの「LIFORK AKIHABARA」の一角に2020年8月11日にオープンした。最新のICT技術を備えたスペースで、eスポーツ大会や各種イベントの開催、配信のほか、実証実験や新製品の展示・販売といったビジネス用途も想定している。

eスポーツ施設の見本として提案

 eXeField Akibaを開設した目的について、NTTe-Sportsの影澤潤一副社長は、「地方でeスポーツ施設をつくりたい、eスポーツイベントを開催したいと思っても、何から始めてよいのか分からないのが現状だ。当社でも相談を受けることが多々ある。そうした人たちに、eスポーツ施設の見本として体験してもらいたいと考えた」と話す。

 そのため、同施設では、通常、バックヤードに収まっているような配信用の設備やサーバーなどもあえて表に設置。イベントをただ配信するだけでなく、eスポーツ施設にはどういったものが必要で、どのように使っているのかを実際に見て、体験できるようにしている。「コロナ禍で秋葉原まで来られない地方の人は、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)でリモートから内覧できる」(影澤氏)という。

 施設で見られる製品の一部は、アマゾン内に開設したeXeField Akibaの特設サイトで購入できるようにもなっている。

NTTe-Sportsの影澤潤一社長
NTTe-Sportsの影澤潤一社長
通常は表に出ないサーバーなども会場内に設置してあった
通常は表に出ないサーバーなども会場内に設置してあった

 加えて、eXeField Akibaを同社が取り組むサポート・教育事業やイベントソリューション事業、プラットフォーム事業などの拠点としても活用する。

 その1つが同社が施設オープンと同時に開始したオンライン学習・交流サービス「ユニキャン」だ。これは、ゲームを活用した少人数制オンライン指導や会員同士のコミュニティー企画、各種セミナーなどを通じ、課題解決能力やコミュニケーション能力の育成、キャリア学習などを支援するもの。大人、子供それぞれに向けたレッスンを用意する。

VR空間のeXeField Akiba。ライティングの演出などの確認もできる。また、ビル内では行えないスモークなど、VRならではの演出もできる
VR空間のeXeField Akiba。ライティングの演出などの確認もできる。また、ビル内では行えないスモークなど、VRならではの演出もできる

設備内は4エリアに分かれる

 eXeField Akibaは、「プレイエリア」「配信エリア」「ICTエリア」「カフェエリア」の4つのエリアに分かれている。

 1つ目のプレイエリアには、幅6.7×高さ2.4メートル、約300インチの大型高精細LEDディスプレーを設置。eスポーツ大会では、ゲーム画面を大きく表示できる。ワイドスクリーンのため、ゲーム画面とプレーヤーの顔を並べて映し出すことも可能だ。対戦者同士がリモートで参加するオンライン対戦では、現場で対戦しているかのような臨場感を味わえる。

16:9基本画面に加え左右に選手の顔やCLIP-LIVEも同時に表示できるワイドスクリーン。高精細なので、ビジネスセミナーなどでは細かい文字をくっきり表示するのにも適している
16:9基本画面に加え左右に選手の顔やCLIP-LIVEも同時に表示できるワイドスクリーン。高精細なので、ビジネスセミナーなどでは細かい文字をくっきり表示するのにも適している

 規模の大きいeスポーツイベントを実施する場合は、秋葉原UDX内のイベントスペース「AKIBA SQUARE」や「UDX GALLERY」と組み合わせて使うこともできる。これらイベントスペースでイベントを開催し、eXeField Akibaは配信メインに使う方法だ。あるいは、これら会場を全く使わないオンラインのみの大会でも、eXeField Akibaの配信設備やノウハウで対応できるという。

 2つ目の配信エリアは、その名の通り、配信用の機材が並んだ空間だ。配信に必要な設備や演出のノウハウなどを見聞きできる。

 3つ目のICTエリアは、最先端のICT技術を体験できる空間。ゲームプレー中の脳波を検知するシステムや、20年1月に東京都などが主催したeスポーツイベント「東京eスポーツフェスタ」でも展示され、話題を集めた富士通製のeスポーツ観戦システム「CLIP-LIVE」などを体験できる。

配信用の機材が会場内にずらっと並んでいる「配信エリア」。機材を見学したり、配信のノウハウを体験したりできる
配信用の機材が会場内にずらっと並んでいる「配信エリア」。機材を見学したり、配信のノウハウを体験したりできる
「ICTエリア」には、最先端のICT技術が並ぶ
「ICTエリア」には、最先端のICT技術が並ぶ

 4つ目の「カフェエリア」では、銀座スエヒロがプロデュースするカフェを展開。ハンバーガーや牛すじ黒カレーなどのフードメニューから、コーヒーやソフトドリンク、アルコールメニューまで取りそろえた。基本はキャッシュレス決済だが、受付の支払機を使えば、現金でも支払える。

カフェエリアにあるラテアートマシンでは、スマホで撮影した自分の顔写真やチームロゴなどを使ったラテアートができる
カフェエリアにあるラテアートマシンでは、スマホで撮影した自分の顔写真やチームロゴなどを使ったラテアートができる

 NTTe-Sportsでは、eXeField Akiba以外にもeスポーツに関連する事業を展開している。20年8月7日には、プロeスポーツチームを持つ横浜Fマリノスと教育コンテンツの共同開発などを目的とした連携協定を締結。8月11日からは秋葉原ワシントンホテルで、eスポーツを体験するための部屋「eスポーツコンセプトルーム」の運用実証実験を開始した。さらに、ゲーマー向けコミュニケーションプラットフォームの「eXeLAB」も立ち上げる予定だ。

 今後も、eスポーツやゲームに関わる人々や企業・団体をつなぐ“ハブ”として、市場やコミュニティーの拡大をけん引していく考えだ。

(写真/岡安学)

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