レノボ・ジャパン(東京・千代田)がゲーミングPCのサブスクリプションサービス「スグゲー」を2020年8月20日に開始した。大手PCメーカーでは国内初。PC導入からゲームの購入までサポートすることで、PCゲーム初心者層や最新PCへの買い替えを検討しているユーザーの取り込みを狙う。

 スグゲーは、レノボ・ジャパンのデスクトップ型またはノート型のゲーミングPCと、ゲーミングキーボード、ゲーミングマウス、ゲーミングヘッドセットなどの周辺機器をセットで提供する月額制サービスだ。料金は月額5900円(税込み)から。

「スグゲー」エントリーパッケージプランに含まれるノート型ゲーミングPC「Legion 550i 15」。本体のほかゲーミングマウス、ゲーミングヘッドセットが付く
「スグゲー」エントリーパッケージプランに含まれるノート型ゲーミングPC「Legion 550i 15」。本体のほかゲーミングマウス、ゲーミングヘッドセットが付く

 ゲーミングPCは、複雑な3Dモデルを使ったPCゲームを高画質でスムーズに動作させるため、処理性能の高いCPU、大容量のメインメモリー、高性能なグラフィックスチップなどが必要になる。ゲーム向けのディスプレー、キーボード、マウス、ヘッドセットなども性能や耐久性に優れたものが求められる。これらをまとめて購入すると一般的なPCより費用がかかるところを、サブスクリプション方式により初期費用を抑えて導入できるのがスグゲーの特徴だ。

 ゲーミングPCはデスクトップ型とノート型を用意し、それぞれプレミアム、スタンダード、エントリーの3つのパッケージプランから選べる。例えばノート型のエントリーパッケージプランの場合、CPUに第10世代のインテルCoreプロセッサー、グラフィックスチップにNVIDIA GeForceシリーズを搭載した15.6型ゲーミングノートPC「Legion 550i 15」と、ゲーミングマウス、ゲーミングヘッドセットをセットで提供する。このエントリーパッケージプランでも、『PlayerUnknown's Battlegrounds』(PUBG)や『Fortnite』(フォートナイト)といった人気ゲームタイトルを快適に遊べる性能を持つ。

 パッケージプランには製品のほかに、セットアップやゲーミングPCの使い方のサポートサービスが含まれる。さらに、契約期間に応じてゲーム販売サイト「DMM GAMES」の定額制PCゲーム遊び放題サービスが利用できるポイントコードもバンドルし、ゲーミングPCの導入から実際にゲームを購入して遊ぶまでを一括して提供する。

 契約期間は1年または2年で、契約満了後は残価分を支払って商品を買い取るか、商品を返却して新商品を購入する(新機種に乗り換える)かを選択できる。価格は、最も安価なのはノート型エントリーパッケージプランで、2年契約が月額5900円、1年契約では月額9500円となる。最も高額なのはノート型のプレミアムパッケージプランで、2年契約が月額1万300円、1年契約では月額1万6000円となる(価格はいずれも税込み)。

PCゲーム初心者からヘビーユーザーまでがターゲット

 ゲーミングPCの国内市場はまだ小さいが、レノボ・ジャパンによると、海外では個人向けPCの25%程度がゲーミングPCという地域もあり、PCゲームやeスポーツの普及に伴って、日本国内のゲーミングPC市場も拡大が期待できるという。

 ゲーミングPC市場の中心になるとみられるのは、家庭用ゲームやスマホゲームでは飽き足らずPCゲームへの移行を考えている、いわばPCゲーム初心者層。レノボ・ジャパンをはじめとしたメーカーにとっては、ここがメインターゲットだ。ゲーミングPCは家庭用ゲーム機やスマホの多くに比べて高価だが、初期費用を安く抑えられるサブスクリプション形式なら導入しやすく、需要を掘り起こすきっかけになり得る。機器の導入からゲーム購入までを一括してサポートするのは、初心者層に安心感を持ってもらい、ゲーミングPC使用の障壁を低くするためだ。

 初心者層だけでなく、すでにPCゲームに慣れ親しんでいるユーザーの需要も見込む。グラフィックスチップやCPUなどの性能を大きく左右するパーツは、毎年のように新しい製品がリリースされるため、頻繁にパーツを交換したりPCを買い替えたりするユーザーは多い。スグゲーは1年または2年で新機種に乗り換えられるため、買い替える場合よりも安い費用で最新スペックのゲーミングPCを利用でき、ハイスペックを求めるユーザーにアピールできる。

「スグゲー」のプレミアムパッケージプランで提供するデスクトップ型ゲーミングPC「Legion T750i」。PC本体のほかゲーミングディスプレー、ゲーミングキーボード、ゲーミングマウス、ゲーミングヘッドセットが付く
「スグゲー」のプレミアムパッケージプランで提供するデスクトップ型ゲーミングPC「Legion T750i」。PC本体のほかゲーミングディスプレー、ゲーミングキーボード、ゲーミングマウス、ゲーミングヘッドセットが付く

 KADOKAWA Game Linkageの「ファミ通モバイルゲーム白書2020」によると、20年3月に行ったエンターテインメントについて、以前と比べた際の費やした時間の増減を調査したところ、約半数の人が「家庭用ゲーム機によるゲーム」で遊ぶ時間が増えたと回答。「スマートフォン、タブレットなどによるゲーム」は約3割、「オンライン・PCゲームや、その他のPCゲーム」では2割弱の人が、遊ぶ時間が増えたと回答している。

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりゲームで遊ぶ時間が増えたとみられる一方で、PCゲームユーザーの増加は足踏み状態。18年までは増加していたが、18年から19年にかけては減少に転じている。

 要因の1つとして考えられるのは、ゲーミングPCの価格の高さやPCの知識が必要なことなど、PCゲーム初心者にとって遊べるようになるまでの環境づくりが難しいことだ。ゲーミングPC導入の初期費用を抑え、サポートがついてくるスグゲーは、この問題を解決してPCゲームユーザーを増やす可能性がある。

(写真提供/レノボ・ジャパン)

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