再開発で生まれ変わった東京・渋谷の宮下公園に建つ商業施設「RAYARD MIYASHITA PARK(レイヤード ミヤシタパーク)」。その1階部分を占めるのが2020年8月4日にオープンした食とエンタメの融合施設「渋谷横丁」だ。全長100メートル(約1000平方メートル)の空間に19店舗が軒を連ねる。
日本全国のご当地グルメ19店舗が宮下公園に集結
北は北海道から南は九州・沖縄まで、日本各地の郷土料理やB級グルメなど19店舗が集結した渋谷横丁は、昭和レトロな商店街をほうふつさせる飲食エリアだ。この施設を手掛けたのは、「恵比寿横丁(東京・渋谷、2008年5月開店)」や「新橋ガード下横丁(東京・港、2018年3月開店)」などをプロデュースしてきた浜倉的商店製作所(東京・中央)。“横丁”と聞くとうらぶれたサラリーマンが管を巻いている姿が目に浮かぶかもしれないが、令和の横丁は若者に人気のスポットとなっている。
浜倉的商店製作所の浜倉好宣代表は「恵比寿横丁のような酒場街では夜だけになってしまうので、渋谷横丁は『日本全国ご当地食市』とした。渋谷横丁では世代、出身地、国籍を超えた、渋谷ならではのコミュニティーが生まれる新しい“たまり場”を目指す」と語る。集客の目標などは特にないが、平均客単価は3000円前後を見込んでいるとのことだ。
渋谷横丁に並ぶ19店舗のうち、13店舗は地域色を押し出したつくり。「北海道食市」「東北食市」「北陸食市」など、地域名と「食市」を組み合わせた名称の店舗には、各地の郷土料理やB級グルメ、酒類がそろう。また「鶏・かしわ・焼鳥 布袋」「牛・豚のデパート 精肉 大黒」「魚貝百貨店 魚利喜」は、それぞれ鶏肉、牛・豚肉、魚介の産直食材を提供。残りの3店舗は元力士が運営する「力士めし 萬(よろず)」、軽食や酒類を提供する「渋谷バル」、昼と夜で業態が変わる「純喫茶&スナック 思ひ出。」となっている。
渋谷横丁の宮下公園交差点側出入り口近くは「横丁広場」と呼ばれるイベントスペースになっており、盆踊りや演歌歌手のリサイタル、DJによるパフォーマンス、クールジャパンをテーマにしたイベントなどの開催を予定している。イベントの模様は、渋谷駅前、スクランブル交差点近くにある三千里薬品の街頭ビジョンにも映し出されるという。
横丁内は“元商店街”を改装したという設定になっていて、各店舗は元銭湯、元パチンコホールといった風情の店構えになっている。そうした設定に合わせて風呂おけやパチンコのドル箱をあしらった「乾杯ドリンク」も話題を呼びそうだ。また店内には約100台のデジタルサイネージが設置されており、店舗ごとにご当地の祭りの映像やローカル番組などを放映するとのこと。
渋谷横丁で提供される料理は、全店舗を合わせると約2500種類。各店舗をはしごするのもいいが、店内のQRコードから他の店舗のメニューを読み取って席まで配達してもらうこともできる。当面、その場合の代金は現金払いとなるが、専用アプリを用意してキャッシュレス決済にも対応する予定とのこと。財布と胃袋に余裕があれば、各地のラーメンやギョーザ、焼き鳥などを食べ比べるのも楽しいかもしれない。
浜倉的商店製作所では「都心で食材を販売したい生産者、産直品で差異化を図りたい飲食店、産直素材を手ごろな値段で食べたい来店客とをつなぎ、Win-Win-Winの関係を築くこと」を目指している。渋谷横丁には食だけでなくエンターテインメントの要素もあり、地方文化の発信地としての機能も担うことになりそうだ。
北海道食市 | 海鮮4色丼(1999円) |
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東北食市 | 盛岡冷麺(799円) |
関東食市 | 江戸前寿司盛合せ-楓-(2499円) |
横浜中華食市 | 焼き餃子(5個 599円) |
東海食市 | 皿台湾(799円) |
北陸食市 | ソースカツ丼(1099円) |
近畿食市1 | まんぼ焼き(999円) |
近畿食市2 | 鶴橋 ホルモン串(5本盛り 899円) |
中国食市 | 尾道ラーメン(799円) |
四国食市 | 釜玉うどん(499円) |
九州食市 | 長浜ラーメン(899円) |
沖縄食市 | 沖縄にんにくたっぷり丸焼きチキン(1999円) |
韓国食市 | チーズダッカルビ(999円) |
力士めし 萬 | どんぶりちゃんこ 塩ちゃんこ鍋(1人前699円) |
鶏・かしわ・焼鳥 布袋 | トロトロ極上の親子丼(899円) |
牛・豚のデパート 精肉 大黒 | 大沼牛牛トロ炙り丼(1399円) |
魚貝百貨店 魚利喜 | 漁業直送!海鮮丼(1499円) |
渋谷バル | マルゲリータ(999円) |
純喫茶&スナック思ひ出。 | ナポリタン(700円) |
(写真提供/浜倉的商店製作所)