一向に収束しそうにないコロナ禍に、夏フェスなどの大規模イベントが次々と中止に追い込まれている。2011年から始まった夏のアイドルイベント「@JAM EXPO」は、2日間開催で約100組のアイドルが出演する大型オンラインイベントの開催を決めた。オムニバス形式のオンラインイベントで、いかに演者間の“クロス効果”を生み出すかがポイントという。総合プロデューサーであるライブエグザムの橋元恵一氏に聞いた。

@JAM EXPO 2019の最終日、出演者がそろっての集合写真(c)@JAM EXPO 2019
@JAM EXPO 2019の最終日、出演者がそろっての集合写真(c)@JAM EXPO 2019

新型コロナウイルス感染症拡大で10周年イヤーがすべて白紙に

――オンラインイベント「@JAM ONLINE FESTIVAL 2020」を開催するそうですね。

橋元恵一氏(以下、橋元氏) 「@JAM」という名前を付けたイベントは、2011年11月にスタートしました。20年の11月でちょうど10周年になります。最初の@JAMは、新木場STUDIO COASTで開催され、出演者にLiSAや栗林みな実、May’n、私立恵比寿中学、でんぱ組.incなどを呼び、いわゆるポップ・カルチャー・イベントとして企画しました。20年は「10周年イヤー」と銘打って1年を通していろいろとやっていこうと準備をし、1月には3日間開催(19年までは2日間開催)となる@JAM EXPOの日程まで発表したのですが、新型コロナウイルスの感染拡大ですべて計画が止まってしまいました。そこでオンラインイベントを開催することにしたのです。

――オンライン開催の決定は難しかったのは?

橋元氏 イベントでメインとなる出演者には19年からお声がけし、すでに120組くらいの出演者が決まったところで新型コロナウイルス感染症が拡大し始めました。会場(毎年、横浜アリーナで開催)をどうするか考え始めたのが5月くらいなのですが、5月25日に緊急事態宣言が解かれ、制限事項はあるものの、今度はライブ開催が可能かもという流れになりました。そこで、6月初頭にイベントの関係者を急きょ集め、リアルで開催する方向を探り始めました。アーティストのアリーナ公演やホールツアーなどの発表情報も耳にし、さらに野球やサッカーの開幕も見えてきた時期でした。

ライブエグザムの橋元恵一氏。@JAMの開始当初からプロデュースしている
ライブエグザムの橋元恵一氏。@JAMの開始当初からプロデュースしている

 とは言っても、スタンディングのコンサートはまだ状況的に許されそうにありません。着席する観覧方式にしても席間を空けなくてはならず、公演時間も3時間程度に絞らざるを得ません。そうなると、観客数に対応するために1日に2~3回公演が必要になります。また、その他のステージ設置も「密」を避ける観点から難しそうだということになったのです。制限下で@JAM EXPOという体裁を保つことは難しいという判断にたどり着き、残念ながら横浜アリーナでの開催を解除することになりました。

19年の@JAM EXPO 2019の様子(HKT48)(c)@JAM EXPO 2019
19年の@JAM EXPO 2019の様子(HKT48)(c)@JAM EXPO 2019

ライブハウスを使ったメッセージ性の強いイベントへ

――具体的には、どのような方法で開催するのですか?

橋元氏 オンライン開催の具体的な検討を始めたときに、首都圏にライブ予定がキャンセルになったライブハウスがたくさんあることを知りました。会場のキャパシティーに対して客数を大幅に減らさなければならず、採算が合わなくなって多くのライブがキャンセルされたようです。このライブハウスをオンライン配信の会場に利用します。一時期、世間ではコロナ禍によって「ライブハウス=悪」のイメージも一部あったので、名誉回復を図る目的もこれで実現できます。休業を余儀なくされたアイドルとライブハウスが一緒になって、みんなで盛り上げようというメッセージ性の強いイベントにしたいと考えています。

 ライブハウスは5つ使います。東京のZepp DivercityとZepp Tokyo、白金高輪SELENE b2、秋葉原AKIBAカルチャーズ劇場、横浜ブロンテから無観客配信します。@JAMでも利用しているライブハウスのZeppという会場と、LEDビジョンを背景にしたステージを持つ3つの会場は、オンラインで演出映えしやすい会場です。1日10組限定で、5会場50組、2日でおよそ100組のステージを予定しています。さらに、各会場には配信スタジオを設けて、5会場をつなぐためのトークチャンネルをつくります。

 総合司会をお願いする予定だった元ベイビーレイズJAPANの高見奈央をパーソナリティーに、ライブの実況チャンネルもつくります。彼女がファン視点で各会場をまわりながら、視聴者が会場で感じるであろうことを疑似体験してもらう趣旨です。

8月29日、30日の両日開催される「@JAM ONLINE FESTIVAL 2020」
8月29日、30日の両日開催される「@JAM ONLINE FESTIVAL 2020」
@JAM ONLINE FESTIVAL 2020で実況チャンネルを任される元ベイビーレイズJAPANの高見奈央。19年も@JAM EXPO 2019の総合司会を務めた (c)@JAM EXPO 2019
@JAM ONLINE FESTIVAL 2020で実況チャンネルを任される元ベイビーレイズJAPANの高見奈央。19年も@JAM EXPO 2019の総合司会を務めた (c)@JAM EXPO 2019
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