RaaS(リテール・アズ・ア・サービス、サービスとしての小売り)の米b8ta(ベータ)が2020年8月1日、日本に初出店した。出資する丸井は顧客満足を優先する体験型店舗の取り組みで、新しい小売りの在り方を追求する。大手百貨店とスタートアップ企業との提携から見えてくる戦略を探った。
一歩先ゆくマーケティングとは?
いつでもどこでもオンラインで買い物ができる時代に、実店舗の存在価値をどう作り上げていくか――。長年百貨店として小売りに携わってきた丸井の青野真博社長は、旧態依然とした現在の小売業界の在り方に「小売店は新しい体験価値を提供できるように変わっていかなければならない」と危機感をあらわにする。
丸井が活路を見いだすため出資・招致に踏み切ったのはb8taだ。同ブランドはRaaSのパイオニアとして「体験型店舗」を米国で展開している。b8taは商品を展示したい企業に対して、60×40センチほどの“商品体験スペース”を提供する。さらにその場での店頭販売に必要な従業員の手配からトレーニング、店づくりなどを含め、運営全般を月額30万円で請け負う。来店客は商品体験スペースに展示された商品を実際に試し、設置されたタブレットで商品の詳細情報を知ることもできる。気に入ればオンラインで購入する流れだ。来店客が望めば店でも商品を購入できるが、販売を目的としていないため、売り上げは店舗スタッフの評価に入らない。
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