映画『パラサイト半地下の家族』の大躍進に続き、Netflixで配信されたドラマ『愛の不時着』が話題沸騰。日韓プロジェクトのガールズグループ・NiziU(ニジュー)の注目度も上がっている。韓流ブームは今や一過性のものではない。そのマーケティング手法から韓流人気の理由を読み解く。
映画やNetflix作品が続々ヒット
2020年、世界有数の映画の祭典「第92回米アカデミー賞」で4冠を獲得したポン・ジュノ監督・脚本の『パラサイト 半地下の家族』。日本での興行収入は45億円を超え、歴代韓国映画の過去最高額を塗り替えた。世界各国でも「外国語映画の史上最大のヒット作」として成績を収めており、全世界の興行成績は約2億5737万ドル(約266億円)に上る(米Box Office Mojo調べ)。
韓国産エンタメの評価を大きく引き上げた『パラサイト』の効果は、すぐに波及した。それを象徴するのが動画配信サービス「Netflix」で全世界配信中の恋愛ドラマ『愛の不時着』のヒットだ。 20年2月の配信開始から5カ月がたった今も、日本のNetflixの「今日の総合トップ10」でいまだに首位を独走中。その人気ぶりが伝わってくる。
『愛の不時着』のストーリーは、思わぬ事故で北朝鮮に不時着してしまった韓国の財閥令嬢が堅物のエリート軍人と出会い、身分を隠して暮らすうちにタイトル通り真実の愛に“不時着”してしまう――というもの。そんな恋愛ストーリーにコメディーとサスペンスの要素を巧みに折り交ぜ、日本のみならず、欧米、アジアでも人気作となった。
『愛の不時着』の後も、『梨泰院クラス』などの韓国ドラマが次々とNetflixに追加され、アジアコンテンツの評価底上げに貢献している。それを裏付けるコメントは、2020年6月29日に開催されたアジアの映像ストリーミング業界イベント「avia OTT Virtual Summit 2020」で確認できた。登壇したNetflixアジアのヴァイスプレジデント・Tony Zameczkowski氏が「『パラサイト』のような映画が成功したことで、アジアのコンテンツに対する需要が非常に高まっている」と話していたのがそれだ。またZameczkowski氏は、Netflixがアジアだけで200本のオリジナル作品に投資し、そのうち約50本は韓国発であることも明かした。
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