新型コロナの感染防止の観点から飲食店でも非対面・非接触が求められるなか、ホールで“ロボット従業員”が料理を配膳する新業態が玉川高島屋S・C(東京・世田谷)にオープンした。実際に店舗を訪れ、ロボットと人が協業する未来のレストランを見た。

ロボットが料理を運ぶ、未来型店舗が2020年7月にオープン
ロボットが料理を運ぶ、未来型店舗が2020年7月にオープン

 2020年7月6日、東急田園都市線・二子玉川駅に隣接する玉川高島屋S・Cの南館6階に、高級レストランを展開する三笠会館が新業態をオープンした。ロブスターやステーキなどグリル料理を提供する「THE GALLEY SEAFOOD & GRILL by MIKASA KAIKAN」(以下、THE GALLEY)だ。広々としたフロアにゆったりと設けられたテーブルと席。店の外から眺めると、何ら変わったところはないように思える。だが、店内に入ると、驚きの光景が目に飛び込んできた。ホールでは、女性スタッフに交じり、2台の搬送ロボットが料理を配膳していたのだ。

「THE GALLEY SEAFOOD & GRILL by MIKASA KAIKAN」は、玉川高島屋S・Cの南館6階にオープン。ロブスターやステーキなど、豪快なグリル料理を楽しめる
「THE GALLEY SEAFOOD & GRILL by MIKASA KAIKAN」は、玉川高島屋S・Cの南館6階にオープン。ロブスターやステーキなど、豪快なグリル料理を楽しめる

けなげにサラダを運ぶロボットに客が歓喜

 搬送ロボットは、3段のトレーを備え、足元のホイールを稼働させて自動走行する。高さは約120センチメートルでずんぐりとした図体の上部には“目”を思わせるディスプレーがあり、どこか愛嬌がある。ソナーセンサー、イメージセンサーが搭載され、進路上に人がいると自動的に回避しようとするだけでなく、声までかけてくる。実際、筆者が移動中のロボットの前に立つと、かわいげのある声で「すみません、急いでいるので道を譲ってください」とお願いされ、思わず「こちらこそすみません」と言って素直に退いてしまったほどだ。これがブザー音だったら不快に感じただろう。

 席に座り、早速注文してみた。オーダーは各テーブルにあるタブレットで行う。ロボットが配膳するのは、サラダバーのみ。画面上で好きな野菜やフルーツを選ぶと、その内容がサラダバーに設置されたキッチンモニターに転送されて表示。スタッフがその注文に従って皿に盛り付ける。その皿を搬送ロボットのトレーに載せて客席番号を入力し、「GO」ボタンを押すと自ら「OK,I'll go」と一言発して自動走行し、席まで届けてくれる仕組みだ。

料理はタブレットで注文する仕組み
料理はタブレットで注文する仕組み
好きな野菜やフルーツを選択すると、その情報がサラダバー側に送られ、スタッフが皿に盛る
好きな野菜やフルーツを選択すると、その情報がサラダバー側に送られ、スタッフが皿に盛る
スタッフが皿を搬送ロボットのトレーに置き、席まで届ける。ロボットは本体上部にある赤外線カメラで天井の各所に張り付けられたマーカーを読み取り、ルートを確認しながら移動。今回、店舗には1台約200万円の搬送ロボットを2台導入している
スタッフが皿を搬送ロボットのトレーに置き、席まで届ける。ロボットは本体上部にある赤外線カメラで天井の各所に張り付けられたマーカーを読み取り、ルートを確認しながら移動。今回、店舗には1台約200万円の搬送ロボットを2台導入している