マーケターキャリア協会(MCA)がマーケターを目指す学生と企業をマッチングするプログラムを2020年7月10日に発表。イトーヨーカ堂、パナソニック、ポーラ、Mizkan(ミツカン)、横河電機の5社が参加し、優秀者はマーケティング関連職のインターンシップや採用面接への参加権を得られる。
MCAが20年10月から始める「MCA 幸せな就活」は、マーケティング職志望の学生と企業のマッチングを図るもの。今期はイトーヨーカ堂、パナソニック、ポーラ、Mizkan(ミツカン)、横河電機の5社が参加。約4カ月かけて学生がマーケティング課題に取り組み、優秀者として選ばれた学生はマーケティング関連職でのインターンシップや採用面接への参加権を得られる。
同プログラムを担当するMCA理事の富永朋信氏(Preferred Networks執行役員CMO)は「米国ではアカデミアと事業会社が協力する様子が活発に見られるが、日本ではまだ進んでいない。このプログラムが端緒になればいい」と語った。アドバイザーとして参画した早稲田大学商学学術院の守口剛教授は「マーケティングとしてのジョブ採用を行っているのはまだ一部の企業に限られている。ゼミでマーケティングを学び、将来的に仕事をしたいと思っても、どのようなキャリアプロセスでマーケターになれるのか分からないという状況だ。そのため、実際に企業でマーケターとして働く人の話を聞いて採用プロセスを理解したり、インターンシップで実際の職場に触れたりする機会が増えることは、学生にとっては大きな意義あるのではないか」と話す。
それに先駆け、8月から「MCA 学生道場」をスタート。対象は将来マーケターを目指す国内外の大学、大学院、専門学校生。全4回の講義とワークショップを通じ、マーケティングの思考法を学んでもらうのが狙いだ。
MCAは19年3月に発足。事業会社などで実務に携わるマーケターを中心に、約900人の会員が所属している(20年7月10日現在)。「マーケターの価値を明らかにする」をビジョンとし、理事には著名なマーケターが名を連ねる。
同協会のメインプログラムともいえるのが、19年8月にスタートした「MCA 道場」。同協会理事による月1回、7カ月間のキャリア育成プログラムだ。プロのマーケターとして必要な資質や信頼されるマーケターになるためのマインドをテーマにした講義を行い、第1期は66人が参加した。
第2期のコンセプトは「マーケターとして生き抜いていくスキルを発見、習得、研さんできる経験を提供すること」と同協会理事でインフォバーン取締役COOの田中準也氏は説明する。「キャリアを積んだ熟練者から学ぶことで視野を広げたり、自分を俯瞰(ふかん)で見られるようになったりするのが狙い。道場に通ったその日から意識と行動が変わればいい」(田中氏)。熟練マーケターとして、元エステー執行役の鹿毛康司氏などをゲストとして招く予定だ。
また、19年の第1期道場に参加した人を対象にした「マスタークラス」も開講予定。「参加者が自分なりの形を習得し、その上で自分がどういうスキルを磨いていくのかを見直す時間にしてほしい」と田中氏は話す。