京都の商業施設「新風館」が2020年6月11日、ホテルを核とした複合施設としてリニューアルオープンした。アジア初のエースホテルをはじめ、関西初のビームス ジャパンやカフェ キツネなど全20店舗が出店。新型コロナ禍で観光客が激減した京都の街に、活気を取り戻す起爆剤となるか。
歴史的建造物を再活用、街に開いた施設へ
小雨が降り始めた2020年6月11日の午前9時。開店を2時間後に控えた新生「新風館」の烏丸通側入り口には、入場整理券を求める人たちが列をなしていた。整理券は開店時刻から90分ごとの時間帯に区切られ、1回につき200枚を配布。オープン初日から4日間は滞在時間を制限することで「3密」を避ける対策が講じられた。7月1日以降は、一部店舗を除き、通常営業に戻っている。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で静かな幕開けとなった新風館だが、その話題性の高さから開業を待ちわびた人は多い。日本を代表する建築家、隈研吾氏が建築デザインを監修し、核テナントとして米国のライフスタイル型ホテル「エースホテル京都」がアジア初上陸。商業ゾーンのテナントには、コンセプトやデザインにこだわった店舗を集積。全20店舗と小規模ながらも、国際都市・京都のランドマークにふさわしい商業施設に仕上がっている。
運営するNTT都市開発の商業事業本部商業事業部営業MD担当である増留綾花氏は、新風館をリニューアルするに当たって、旧新風館でも大切にしていた文化の発信とコミュニティーの創出を重視したという。「その結果、世界各地で独自のコミュニティーを創出しているエースホテルと親和性の高いテナントを誘致できた。地域の方はもちろん宿泊客も利用でき、それぞれの交流拠点となることで街ににぎわいをもたらしていきたい」と話す。
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