テックベンチャー、THECOO(ザクー、東京・渋谷)が手掛ける、主にアーティスト向けのファンコミュニティー運営ビジネスが好調だ。2017年12月にサービスを始めた「fanicon(ファニコン)」を利用するアーティストの数は現在1600以上。この実績を評価され、THECOOは20年6月、3億8000万円の資金調達にも成功した。得た資金を自社スタジオ開設と人材採用に投資し、さらなる成長を目指す。
THECOOが運営を手掛けるfaniconとは、アーティストやタレント、ユーチューバー、作家などに対してファンとのコミュニケーション機能を提供する、コミュニティーアプリの体裁を取ったプラットフォームのこと。現在、1600以上のコミュニティーが開設済みだ。
使い方はこんな具合だ。まずはアーティストやユーチューバーなどの利用者が、自分のファンコミュニティーをfanicon上に開設。自分のファンに呼びかけてアプリをダウンロードしてもらう。
アプリには、アーティストからの動画配信や画像投稿といった機能に加え、グループチャットや1対1のチャット、それにECやチケット販売などの機能が備わる。アーティストやユーチューバーなどは、これらの多彩な機能を駆使して、時間や空間の制限なく、自分のファンと密にコミュニケーションを取れるというわけだ。
さらにTHECOOは、fanicon利用者に対して、最大60人が参加できるオフラインのイベントスペースも提供しており、こちらを使ってのリアルイベントの開催も可能だ。
アーティストやユーチューバーなどの利用者は、こうしたfaniconを使ったファンコミュニティーの機能を無料で利用できる。その代わり、アプリをダウンロードする自分のファンに対して月額料金を設定する。ファンが支払ったこの月額料金の合計から、アプリから課金した場合にアップルまたはグーグルに支払う手数料30%を引いた金額を、利用者とTHECOOで折半するという仕組みだ。
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