2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛のさなか、「7日間ブックカバーチャレンジ」がFacebookで流行した。またTwitterなどでは「ほろよいチャレンジ」が話題に。それらが拡散された背景を分析すると、SNSで企画を仕掛ける際のポイントが見えてきた。

チャレンジ企画がSNSで人気になれば商品やサービスのPRにつながる。拡散されるチャレンジ企画の特徴とは?(写真/Shutterstock)
チャレンジ企画がSNSで人気になれば商品やサービスのPRにつながる。拡散されるチャレンジ企画の特徴とは?(写真/Shutterstock)

ポイントは表現・承認欲求とユーザー起点

 2020年4月から5月にかけて、Facebookのタイムラインが本の表紙で埋まったという人は多い。理由は「7日間ブックカバーチャレンジ」というSNS上の企画だ。SNSでは、このようなチャレンジ企画が次々と生まれては消えていく。14年に流行した「アイスバケツチャレンジ」、19年の「ボトルキャップチャレンジ」などを覚えている人も少なくないだろう。

主にFacebookで拡散された「7日間ブックカバーチャレンジ」。自分の好きな本を1冊選び、その表紙画像を7日間にわたって投稿するというもの。投稿の際にはFacebookの“友達”を1人指名し、企画に参加してもらう
主にFacebookで拡散された「7日間ブックカバーチャレンジ」。自分の好きな本を1冊選び、その表紙画像を7日間にわたって投稿するというもの。投稿の際にはFacebookの“友達”を1人指名し、企画に参加してもらう

 「7日間ブックカバーチャレンジ」がFacebookで拡散された理由について、コンサルティング会社の顧客時間(大阪市)でチーフプランナー・広報統括を担当する風間公太氏は以下のように分析する。

 「SNSは『表現したい』『伝えたい』という『表現欲求』を満たし、表現したものに関して『認められたい』『リアクションが欲しい』という『承認欲求』を満たす場。本は自分の好みや考え方を代弁するものとも言えるので、両方の欲求が満たされる『7日間ブックカバーチャレンジ』が受け入れられた。また、新型コロナウイルスによる外出自粛であまり人と会えないなか、対話のきっかけやつながりが求められていたのも流行を後押しした」(風間氏)

「アイスバケツチャレンジ」は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の治療研究支援を目的に、バケツに入った氷水を頭からかぶる様子を動画で撮影して投稿するというチャレンジ企画。指名された人は、氷水をかぶるか、100ドルをALS協会に寄付するか、両方実行するかを選択し、次の人を指名する
「アイスバケツチャレンジ」は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の治療研究支援を目的に、バケツに入った氷水を頭からかぶる様子を動画で撮影して投稿するというチャレンジ企画。指名された人は、氷水をかぶるか、100ドルをALS協会に寄付するか、両方実行するかを選択し、次の人を指名する

 風間氏は表現・承認欲求を満たす以外にもSNSで企画を成功させるポイントがあると言う。

 例えば20年4月にTwitterとInstagramで流行した「ほろよいチャレンジ」。これは缶チューハイ「ほろよい」シリーズの缶と色の似ている物を組み合わせて投稿するというものだが、サントリーの発案ではなく、ユーザーの1人が個人で始めた企画だ。

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