毎年6月に開催されている「サンフランシスコ・デザインウイーク」(SFDW)が今年はコロナ禍のため、6月15日から26日までバーチャルで開催している。毎年世界から6万人が参加するイベントを、どのように実施しているのか。
SFDWのテーマは、プロダクトやインテリア、建築デザインからデジタル・デザイン、インタラクション・デザインなど幅広い。地域のデザインコミュニティーに触れられるとして、世界中から参加者が訪れる。主催したSFDWエグゼクティブ・ディレクターのドーン・ジドニス氏は、「バーチャルにしたことによって登壇者は増えた。また海外からの参加者も増え、全体の30%になった」としている。最終的な参加者数が今後、どうなるかまだ分からないが、バーチャル開催でも集客に自信を持っているようだ。
バーチャルとはいえ内容は豊富。サンフランシスコのベイエリアや西海岸の150以上のデザイン事務所が参加し、ウェブによるパネルディスカッションやプレゼンテーション、ワークショップの他、地元にある60カ所のスタジオツアーも開催された。
バーチャルによる開催を支えるため、さまざまなテクノロジーを利用した。例えばリフィケーションが開発した「リヴィジョン」というシステムでは、3次元でモデル化された空間やオブジェクトを複数のユーザーがデスクトップ画面やVR(仮想現実)ヘッドセットで同時に見られた。地元デザイナーの作品を遠隔地にいながら体験できた。
ロブロックスデザインは、参加者がアバター(分身)を通じて交流できるバーチャル空間を作った。ブレインデートのアプリは、カンファレンスやイベントの参加者の中から、あるテーマに関心のある人だけを見つけ出し、グループや個人でミーティングができる仕組みだ。バーチャルな環境でも、仕事の内容や興味が一致する誰かとつながることができた。
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