ディズニーがワールドワイドで手掛ける定額制動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」が2020年6月11日、ついに日本でもスタートした。ディズニー、マーベル、「スター・ウォーズ」などの強力なラインアップをそろえ、先行する米国では早くもNetflix、Amazon Prime Video、Huluに次ぐ4番手に躍り出た。日本でも本領発揮となるか。
Disney+は米ウォルト・ディズニー・カンパニーが2019年11月に開始した定額制動画配信サービス。米国を皮切りに、欧州、インドなどに拡大し、20年6月11日からは日本でもサービスが始まった。
ディズニーの動画配信サービスというと、19年3月からNTTドコモと共同で運営してきた「Disney DELUXE」がある。ただ、これは日本独自のローカルサービス。ディズニーが主体となり、ブランディングから価格帯、コンテンツのラインアップまでを統一してグローバル展開するDisney+は、これらとは一線を画したものだ。
実際、Disney+の開始を機に、Disney DELUXEはDisney+に統合された。このため、Disney DELUXE時代からの日本独自の仕様は一部残る。日本版Disney+にはサービスの利用にNTTドコモの共通ID「dアカウント」が必要(NTTドコモユーザー以外も登録できる)なことや、インターフェースが一部異なること、日本独自のコンテンツもあることなどだ。それでも、ディズニーが日本市場をグローバルの戦略に組み込み、日本での動画配信サービス事業に本腰を入れたことには変わりはない。
世界同時配信のオリジナル新作も投入
グローバル展開の特徴が最も発揮されるのは、コンテンツのラインアップだ。NetflixやAmazon Prime Videoなどの競合と差別化でき、なおかつディズニーブランドの売りでもある即効性のある作品が並ぶ。
サービス開始時の目玉作品は、19年公開の映画『トイ・ストーリー4』や、日本でも大ヒットしたジェームズ・キャメロン監督の『アバター』(09年公開)、ジョニー・デップ主演の名作『シザーハンズ』(91年公開)など。
米ナショナル ジオグラフィック製作のドキュメンタリー作品もラインアップされており、19年度のアカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した『フリーソロ』やウィル・スミスが番組ホストを務める『宇宙の奇石』なども配信する。
こうしたコンテンツは今後、さらに充実する。Disney DELUXEは日本独自のサービスのため、一部コンテンツが見られなかったが、Disney+ではグローバル展開だからこそ可能になる世界同時配信のオリジナル新作が投入されるからだ。「スター・ウォーズ」シリーズ初の実写ドラマシリーズ「マンダロリアン」など、これまでDisney DELUXEで配信されていたコンテンツに加え、人気シリーズのスピンオフやディズニーのコンテンツ制作の裏側を紹介するドキュメンタリーなども配信を予定している。
価格や機能もグローバルでほぼ統一される。日本円では月額料金700円(税別)で、競合サービスと比べて低価格。端末にダウンロードすることでオフライン環境でも見られる機能や、テレビ、スマートフォンなど最大5台(同時視聴は4台まで)のデバイスで利用できる機能なども用意する。
この記事は会員限定(無料)です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー