全国小売店の販売データを集計する日経POS情報で、2020年5月の来店客千人当たり販売金額の前年同月比伸び率を調査した。外出自粛と在宅勤務の浸透で自宅滞在時間が増えたことから、“宅飲み”用の酒類が大きく伸びた。
日経POS情報の食品ジャンルにおける2020年5月の前年同月比伸び率上位は、1位「スピリッツ」(199.7%増)、2位「生クリーム」(137.1%増)、3位「ケーキ・パン材料」(128.6%増)、4位「プレミックス」(99.7%増)、5位「中国酒」(96.2%増)、6位「リキュール」(87.0%増)というラインアップだった。
注目は、トップ10のうち、スピリッツ、中国酒、リキュールと、酒類が3つランクインしたこと。ここ最近のレモンサワー人気から、リキュールや「カクテルドリンク」がたびたび上位にランクインしていたが、酒類3カテゴリーが上位6位までの半分を占めるのは異例だ。
1位のスピリッツは、ジン、ウオッカ、ラム酒など蒸留酒の総称。菊水酒造「アルコール77」、サントリー「翠 ジャパニーズジン 40度」、サントリー「ビーフィーター ジン40度」が売れ筋だ。5位の中国酒は、宝酒造「紹興酒 塔牌(トウハイ)」、キリン「杏露酒(しんるちゅう)」が人気を二分している。6位のリキュールは、スピリッツ(蒸溜酒)に果実や薬草、香草などで風味づけをして甘みを加えた混成酒。サントリー「こだわり酒場のレモンサワーの素」が、ソーダで割るだけで手軽にレモンサワーを楽しめることで人気になっている。
新型コロナウイルスの感染が拡大した20年2月から5月にかけて、トップ10にランクインした食品カテゴリーを見ると、巣ごもり生活の変化がうかがえる。
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