シェイクスピアのミュージカルがオンラインで公開

 演劇の本場ロンドン。オペラやミュージカル、シェイクスピアの演劇など著名な劇場などが、ロックダウン以降、続々とオンラインで作品を公開しています。ロンドンにある世界的に有名な劇場「シェイクスピアグローブ座(Shakespeare's Globe)」は、過去に演じられた舞台の中から、『マクベス』や『真夏の夜の夢』などの代表作をはじめ、数々のシェイクスピアの演劇を無料で、毎週オンラインで公開しています。シェイクスピアが活躍した当時の野外劇場を再現したグローブ座で演じられた、迫力満点の空気感を体感できます。

 また、家で過ごす時間に楽しみを与えたいとアクションを起こしたのが、ミュージカル界の巨匠、英国の作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバー。『エビータ』や『キャッツ』『オペラ座の怪人』など数々のヒットミュージカルを手掛けてきたレジェンドが、新たな取り組みとして、「The Shows Must Go On!」と題したストリーミング動画シリーズを発表しました。毎週金曜日の午後7時(英国時間/日本時間の土曜日午前3時)から、彼のミュージカル作品が1作ずつ公開され、その全編が英国内は24時間以内、その他の国からは48時間以内なら、いつでも視聴できます。本場のミュージカルの舞台を自宅のスクリーンで見られるので、ミュージカルファンは必見です!

キャッツの名曲「Memory」を弾くアンドリュー・ロイド・ウェバー(公式Twitterより)。Twitterでミュージカルナンバーのリクエストを募り、自身が手掛けた名曲の数々を自宅から届けている。世界中から多くの感謝の言葉が寄せられている
キャッツの名曲「Memory」を弾くアンドリュー・ロイド・ウェバー(公式Twitterより)。Twitterでミュージカルナンバーのリクエストを募り、自身が手掛けた名曲の数々を自宅から届けている。世界中から多くの感謝の言葉が寄せられている

 外出を控える環境では、どうしても運動不足になってしまいますが、英国では今、キッズ向けエクササイズ「P.E. with Joe」が人気です。P.E.はPhysical Educationの略で、学校の「体育」のこと。インスタグラムで320万以上のフォロワーをもつカリスマ「ボディーコーチ」ジョー・ウィックスが学校に行けない子どもたちの体育の授業代わりにと始めました。30分ほどの運動をハイテンションのノリのいい掛け声で、月~金の毎朝9時からYouTubeでライブ配信しています。ときにはポケモン、ときにはスパイダーマンになりきったりと子どもたちを飽きさせません。BBCでも紹介されるほど話題になり、今では世界中から20万人が見ているそう。Joeと共に1日をスタートする親子も多いのではないでしょうか。私もできる日には娘と親子エクササイズをしていますが、必ず途中で息切れします。もっと、「with Joe」が必要ですね。

P.E. with Joe

 ロックダウン以後の生活の変化をみてみると、やはりキーワードは「オンライン」。娘が通う学校では、春休み明けからオンラインの授業に切り替わりました。Google Classroomを軸にライブレッスンや課題の連絡を共有しています。初めての試みとあって、先生も親たちも手探りのスタートでしたが、使い方に慣れると、課題の提出も簡単で、先生の採点やコメントも見られるので、日々の勉強のモチベーションアップになっています。

 オンライン授業は英語と算数の2教科ですが、アートやヒストリー、サイエンスなど他の教科も、Classroom上で課題が出されるので、歩みが止まっている印象はありません。毎朝「Hi!」「Good morning!」と画面を通して先生や子どもたちが声を掛け合い、先日はお昼のミーティングで、パソコンの前に紅茶やお菓子を用意してティーパーティーもしました。オンライン飲み会ならぬ「オンラインティーパーティー」です。娘も楽しい時間を過ごしました。クラスメートや先生の元気な様子を見られるだけでほっと安心します。

 今、英国では毎週木曜日の20時になると、一斉に拍手や歓声などが鳴り響きます。ロックダウン直後の3月26日から、インターネットやSNSを通じて、「Clap For Our Cares(医療ケアに携わる人たちに拍手を)」と名付けられたキャンペーンが展開されていて、新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)の最前線で懸命に対応に当たるNHSで働く医療従事者、公共交通機関のスタッフやドライバー、スーパーで働く人々に感謝の意を表そうと、玄関先やバルコニーに出て拍手を送ります。

 ジョンソン首相や英国王室の人々も参加し、その様子がニュースでも報じられていました。我が家でも木曜日の午後8時になるとバルコニーに出て、娘はお玉でフライパンを鳴らし、私たちは拍手を送り続けます。向かいの建物からも、大きな拍手の波や歓声、カンカンカンカンと鍋やフライパンを鳴らす音が通りに響きわたり、走行中のドライバーまでもが一斉に車のクラクションを鳴らし、感謝の思いを届けます。

 その瞬間は、あたたかい心に満ちた一つの空間が生まれ、一体感を感じるとても感動的な体験です。ロックダウン直後、NHSへのボランティアの応募が殺到し、多くの企業や団体、コミュニティーがNHSへ無償で食事などを届けているといいます。英国ではチャリティー文化が深く根付いていることを気付かされると共に、助け合いの精神は、この難局を乗り越える大きな力になっていることを感じます。

SNSのハッシュタグから始まり英国全土に広がりました。画面は4月9日は「フライパンや鍋で、できるだけ大きな音を!」と呼びかけているSNSの画像。右は近所の家の窓に貼られたNHSへの感謝を表す手書きのポスター。レインボーをモチーフにしたデザインのポスターは街のあちこちで見られます
SNSのハッシュタグから始まり英国全土に広がりました。画面は4月9日は「フライパンや鍋で、できるだけ大きな音を!」と呼びかけているSNSの画像。右は近所の家の窓に貼られたNHSへの感謝を表す手書きのポスター。レインボーをモチーフにしたデザインのポスターは街のあちこちで見られます
街のバス停にも、NHSへの感謝が……
街のバス停にも、NHSへの感謝が……
このところ気温が25度前後になる日も多く、きれいな青空が広がるロンドン。ロンドン最大の王立公園リージェンツ・パーク(Regent's Park)の園内にあるローズガーデンで、「keep smiling」という品種の黄色いバラを見つけました。今は、花の名前も「こういうときだからこそ笑顔でもう少し頑張ろう」というメッセージのように感じます
このところ気温が25度前後になる日も多く、きれいな青空が広がるロンドン。ロンドン最大の王立公園リージェンツ・パーク(Regent's Park)の園内にあるローズガーデンで、「keep smiling」という品種の黄色いバラを見つけました。今は、花の名前も「こういうときだからこそ笑顔でもう少し頑張ろう」というメッセージのように感じます
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シェイクスピアグローブ座(Shakespeare's Globe)
P.E. with Joe