新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世界的に「ステイ・ホーム」の呼びかけが続いている。時間を持て余す人たちが自宅で少しでも楽しく過ごせるように、世界のゲーム産業は迅速に対応した。

Google Playストアの「#PlayApartTogether」特設ページ。キャンペーンに賛同する企業のゲームタイトルを集めて紹介している
Google Playストアの「#PlayApartTogether」特設ページ。キャンペーンに賛同する企業のゲームタイトルを集めて紹介している

 新型コロナウイルスの感染拡大が各地で深刻化した2020年3月末、欧米のゲーム関連企業18社は「#PlayApartTogether」と名付けたキャンペーンを開始した。これは、世界保健機関(WHO)の感染症予防ガイドラインにある「人と人との距離をとる」「手を洗う」「せきエチケットを守る」などの行動を促すため、自宅でゲームを楽しむことを提唱したもので、WHOも賛意を示した。この動きは日本にも広がり、日本国内でサービスを展開するゲーム企業も「#離れていっしょに遊ぼう」というハッシュタグで賛同の意を表明している。

 キャンペーンの具体的な取り組みの1つが、自社タイトルのセールだ。例えば、米Humble Bundleは20年4月上旬に「HUMBLE CONQUER COVID-19 BUNDLE」という期間限定セールを実施。45タイトル、合計で約1000ドル相当になるPC用ゲームと電子書籍のセットを破格の30ドルで販売した。セール期間中には20万8527セット、656.6万ドルを売り上げ、その収益はすべて、国境なき医師団や国際救済委員会といった新型コロナウイルス感染症対策に当たる組織に寄付したという。

新型コロナウイルス対策支援のためのセール「HUMBLE CONQUER COVID-19 BUNDLE」
新型コロナウイルス対策支援のためのセール「HUMBLE CONQUER COVID-19 BUNDLE」

 他のゲーム企業も同様だ。PlayStation用のゲームを販売するオンラインショップ「PlayStation Store」は20年4月1~28日まで、ゲームタイトルが最大80%引きになる「SPRING SALE」を実施。任天堂の「Nintendo Switch Online」は20年4月22日~5月6日まで同サービスが7日間無料で使えるチケットを配布した。Nintendo Switch Onlineでは、過去のファミコンソフトやスーパーファミコンソフトがプレーできる。これらは米Humble Bundleの取り組みのように「新型コロナウイルス」の名こそついていないものの、世界中の人にゲームを手軽にプレーする機会を提供し、自宅で過ごす時間を楽しむために活用してもらおうという意図に変わりはない。

世界でゲームの売り上げが6割増

 実際、外出自粛の日々を過ごすのにゲームは最適のツールだ。それは世界的にゲームの売り上げが伸びていることからも分かる。

 欧州のゲームメディア「GamesIndustry.biz」が欧州、中東、アジアなど約50カ国における主要ゲーム会社16社のダウンロード売り上げデータ(欧州インタラクティブ・ソフトウエア連盟のゲームセールスデータ)を分析したところ、テレビゲームの売り上げはいずれの地域でも増加。20年3月初~中旬にかけて欧州でロックダウンする国が増えたこともあってか、20年3月16~22日の売り上げは前週比で63%増えている。

 この売り上げ増をけん引したタイトルといわれているのが、任天堂のNintendo Switch向けソフト『あつまれ どうぶつの森』だ。20年3月20日の発売から6週間で日米欧合計のセルスルーが1341万本を達成。現実と同じように時間が経過する無人島で釣りやムシ捕りに励んだり、インターネットを介して友人と遊んだりするこのゲームのコンセプトが、今の情勢に適していたことも追い風になった。

発売から6週間で1000万本を超えるセルスルーを記録した『あつまれ どうぶつの森』。自宅で過ごす時間を楽しくするソフトとして世界中で人気を集めている (C)2020 Nintendo
発売から6週間で1000万本を超えるセルスルーを記録した『あつまれ どうぶつの森』。自宅で過ごす時間を楽しくするソフトとして世界中で人気を集めている (C)2020 Nintendo
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