“青汁の会社”というイメージからの脱却を目指し、2019年10月にロゴとコーポレートスローガンを刷新したキューサイ(福岡市)。半年が経過した今、Twitter公式アカウントのフォロワー数は100倍以上になっている。ターゲットを中高年から若年層に切り替えた同社の戦略について聞いた。
脱・青汁を機にTwitterでキャンペーンを連発
キューサイは2019年10月、創業55周年を契機に企業ロゴとコーポレートスローガンを刷新した。ロゴはカタカナの「キューサイ」からアルファベット表記の「Q'SAI」に変更。新スローガンは、どんなうねりの中でも柔軟に生きていける「しなやかさ」を提供したいとの思いから「生きるを、しなやかに。」とした。
刷新の目的は“青汁の会社”というイメージからの脱却と顧客層の若返りだ。同社の調査によれば「キューサイの商品と聞いて何を思い浮かべますか?」との問いに対しては約72%が「青汁」と答えたという。また、同社の当時の顧客層は約80%が60歳以上だった。
実際、キューサイでは「ひざサポートコラーゲン」などのヘルスケア商品や「コラリッチシリーズ」などのスキンケア商品も扱っており、それらが同社の売り上げの多くを占めている。青汁事業から、その原料であるケール事業への転換を目指す理由について神戸聡社長は「ビジネスの実態とお客様の持っているイメージに大きな乖離(かいり)があった」と説明する。
企業ロゴの変更に伴い、キューサイでは主力商品の名称およびパッケージを一新し、キューサイの代名詞だった「ケール青汁」からは「青汁」の文字を消して「THE KALE(ザ・ケール)」とした。名称変更に当たってはパッケージでケールの特徴を強調したことで、新ロゴとともに従来の顧客層にも好意的に受け入れられているとのこと。また、同じタイミングで同社初のケール化粧品ブランド「Skinkalede(スキンケールド)」も新たに立ち上げている。
とはいえ、目に見えて効果が表れているのは若返りのほうだ。19年10月の“脱・青汁”宣言前は100人に満たなかったTwitter公式アカウントのフォロワーが、20年5月現在、100倍以上となる1万4000人を突破し、その平均年齢は30歳前後(推定)となっている。
若いフォロワーが増えた背景には、コミュニケーション戦略の転換があった。キューサイによれば「これまで商品の発売情報や企業情報を中心に発信してきたが、SNS、特にTwitterに特化した情報発信は多くなかった。そこで企業ロゴの刷新を機にコミュニケーションの在り方を大幅に変更した」とのこと。具体的には、以下の3つのキャンペーンがフォロワー急増につながったようだ。
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