JR東日本が46年ぶりに山手線の新駅として開業した「高輪ゲートウェイ」。建築家の隈研吾氏がデザインした駅舎が話題を呼んだが、和の景観に合わせ、デザインの視点で従来の駅舎にはない新しい工夫を加えたことは意外に知られていない。今までとは異なる色を用いた視覚障害者向けの誘導ブロックだ。
「高輪ゲートウェイ」は「グローバルゲートウェイ品川」をコンセプトに、東京と世界をつなぐ玄関口として、「和」を感じるデザインになっている。例えば、屋根は折り紙をモチーフにした障子のように設計。駅構内の壁や床面などにも木材を多用した。駅舎に掲げた「高輪ゲートウェイ」の看板の書体も和を意識して明朝体にした。
和の景観に合わせ、デザインの視点で従来の駅舎にはない新しい工夫を加えたことが今回、分かった。それが今までとは異なる色を用いた視覚障害者向けの誘導ブロックを設置したことだ。
一般的にプラットホームの床面の色はコンクリートによるグレーのため、誘導ブロックは濃い黄色が多い。だが、今回は「クールイエロー」と呼ぶ、やや黄緑がかった黄色を採用した。プラットホームの床面を覆う木材の色との調和を図るためだ。
クールイエローは東京大学を中心とした研究グループが17年12月22日に発表したもの。同グループにはLIXIL(リクシル)や日本興業、キクテック、大光ルート産業、DICカラーデザイン、特定非営利活動法人のカラーユニバーサルデザイン機構といった誘導ブロックメーカーやカラーコンサルティング会社が参加した。隈研吾氏も建築家の視点からアドバイスしていた。
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